就活家族 ～きっと、うまくいく～

いわゆる企業戦士と呼ばれる世代の父親像を上手く表現されていて、思わずアルあるあると思ってしまいました。今回の役柄かが三浦友和ははまり役だったのではないかと思うほど違和感なく馴染んでいて、観ていて感情移入できました。

会社の重役になれるところで、ライバルにはめられセクハラで退職するという役でした。家族に言い出せず、苦悩する様子が良かったです。家族を思っているのに、タイミング悪く仕事が入り葛藤するところもいいです。個人的は友和さんが清掃員役をするところがいいなと思いました。自分の元の会社に行き、最初は恥ずかしくばれないようにしていましたが、ばれた後は堂々として何か吹っ切れ清掃員の仲間をかばう所が良かったです。

いつまでも若々しく理想のお父さん像でした。会社で罠にかかり退職しますが最後は真実が認められ新しい仕事にも就けて良かったです。なかなか退職したことを家族に告げられず可哀相でしたが、その間に慣れない仕事をしたり本当の親友も出来て幸せそうでした。

就活家族 ～きっと、うまくいく～の夫婦役である三浦友和さんと黒木瞳さんですが、お二人ともクールな感じの印象を受けていたんですが今回はちょっと情けない部分があったりして面白かったです。特に、三浦友和さんは職を失って掃除の仕事をする情けないお父さんを演じておられましたが上手だったと思います。

三浦友和さんは、自分のイメージでは、ヤクザとか重役とか、凄い優しい役とか、そんな感じのイメージでしたが、今回のこのドラマで、落ちこぼれ見たいな役をしていて、また違う三浦友和さんが見れたような気がしました。またこのような役でもハマるんだなと思いました。

母がファンなので、私も過去に赤いシリーズの作品も見たことがありますが、安定感抜群の見ていてこの人こそこの役柄にピッタリと思える演技力は素晴らしいと思います。ドラマの中に彼がいるだけで視聴率が上がるような気がするので、演じる人もいるだけでやりやすいようにも感じます。

富川部長最高でした。日鉄金をやめて就職活動している時、かつて誘いのあった企業に雇ってくれと遠回しに話している姿、またその企業の採用の方に「日鉄金の富川さんに来て欲しかった。」という様な事をいわれ、地位を失った人間には何の魅力もないと言われ、会社人間だった富川元部長が挫折した表情が何とも言えませんでした。また、就職活動中に天谷の紹介でアルバイトをしていた清掃会社に勤務していた際、かつて勤務していた日鉄金のロビーの清掃作業をしている時に、元部下に「あれ富川部長じゃない？」と見つかりそうになるも居合わせた綿貫に「こんなところにいるはずがない。」と清掃の仕事をバカにした言葉を発し、それを聞き、初めは身分がばれないようにふるまっていたのに富川は開き直り「こっちは仕事を一生懸命やっているんだ。」と清掃会社の同僚たちの声を代弁しているかのような罵声を発し、同僚から信頼を得て町のラーメン屋でみんなで食事しているシーンが印象的でした。かつては綿貫と同じような考えしか持っていなかった富川が立場が変わり人間臭く成っていく様が見所でした。

大企業のエリート社員から、出世を目指す卑劣な同期に足を引きずられ、転落していった姿を見事に演じきっていたと思います。家族を想う気持ちや仕事に臨む父親としての姿勢を上手く表現しており、流石の名俳優だと思いました。

成功者が突然人生がうまく行かず、今までとは全く違う生活を送る姿は三浦友和さんにはぴったりのキャスティングでした。
今まで積み上げて来たキャリアとプライドがズタズタにされる中で、自分の考え方を変えて前向きに向き合って行く姿はとてもリアル感がありました。