トップナイフ―天才脳外科医の条件―

真実にケーキをごちそうしてお喋りする姿は気の良いおじさんという雰囲気でしたが、意味ありげに深山の写真を見つめたり、深山にドクターを一人クビにする噂を問い詰められるとお茶を濁したり、箇所箇所でちょっと今までとは違う含みを持たせた演技をしていたのが印象的でした。何を考えているのか分からなくて、普段温厚で飄々としている分、余計に本心が見えない怖さが際立っていたのが良かったと思います。

なんかうさんくさいですよね。いまいち信用ができないです。何か抱えてそうですしね。深山先生を首にするみたいな雰囲気がただよってますが、実は自分が辞めて後がまを深山先生に、という展開なんじゃないかと思ってます。

最近いい感じに年を取って来て、演技も上手くなってきたかなぁと思っていたけれど、やっぱりこの人は、この程度かなと思いました。役柄的に、ちょっと変なエロオヤジ風だから仕方ないのかもしれませんが、わりと豪華なキャストの顔ぶれな中皆がバラバラの印象があるドラマなので、彼くらいはチャラい中でも貫禄を感じさせる様な存在感が欲しいのに、とってもつまらない感じで終わってしまっている印象です。

実はこのドラマで自分の中の評価（？）が上がっているのが三浦友和。
面白くもない真面目な演技しか出来ないようなイメージがあった。そこまで嫌いではなかったけど、
三浦友和が出るようなドラマはあまり面白そうなイメージがなかった。
しかし今回は思いもかけず、何考えているかよくわからない部長を飄々とやっていて面白い。
三浦友和を見る目が変わった。

優しいお父さんという雰囲気だけれど、何かもっともっと先を考えているような知的さを感じます。役者さん本人も、この役と被る気がします。何かを抱えている部下達をさり気なく見守り、でも隠れた鋭い目があるのが魅力的です。

温厚な雰囲気で飄々としていて、クールでズバズバ物を言う深山たちとは真逆のキャラクターがとても似合っています。深山や黒岩をおだてる時も厭らしさやしたたかさがなく、ご機嫌取りの意図もあるとは思うけど褒め言葉自体は本心なんだろうなと思えるところが今出川を魅力的にみせてくれていると思います。三浦さんの落ち着きと深みのある声と台詞まわしも好きです。

この人が出演するだけでドラマに厚みが出るというか、クオリティが上がる感じがする。
役柄的には、部長だといってもエラぶらず、気さくな感じで腰の低ささえ感じるけど、実はこういう人が一番怖かったりするのかと想像。いざという時に部門トップとしてちゃんと責任とれるような度量の大きい人物であることも期待。