新しい王様

いつもの味のある演技で変わり者、自由人で掴み所が無いが同時に大物感もあるといったキャラクターとマッチしている。その独特な雰囲気と「次は何をやってくれるんだろう？」と期待感を持ってしまう、見ていて羨ましく思ってしまうキャラクターに仕上がっていて、面白かった。

堂々としていて、自信があって、知的な雰囲気でとっても良かった。実際に凄い人物に見えてしまうくらい、役にはまってた。言っている事に凄く説得力があって、なるほどーと思う場面が沢山あった。何かあった時相談すれば必ず良いアドバイスが貰えそうな気がして、こういう知り合いがいたら頼もしいと思った。

一風変わったドラマ、役柄であったが、とても自然にぴったりと演じられていたと思う。知人の中にはこの役者さんの演技は棒読みで好みではない、という人も居るが、個人的に若い時代から好きな俳優さんのひとり。逆にその棒読み、的な演技が今回当てはまり、相手役の香川照之との掛け合いも面白く、実際に今の時代に居そうな、ありそうなビジネスマンの話だった。

相変わらず声が低くてかっこよかった。あきばさんの、頭が良くて賢くて変わった人っていうのが、藤原竜也にぴったりだったと思う。話し方もゆっくりなのに力強くて心に刺さる内容が多かったし、やっぱり演技上手だなぁと思った。

自信満々で毅然とした態度で、斬新な考えを堂々と大きな声で語る演技がすごくうまくてさすがだと思った。歳を重ねてきちんと経験が生きてる感じがすごくした。世渡り上手で頭がいい役がよく似合ってる。香川照之とも息ぴったりだ。

セリフもはっきり大きく言ってくれるので、大変聞き取りやすいです。早口でまくしたてる所もすごく迫力がって大好きです。一時期、演技がおおげさとか何を演じていても藤原竜也だ！と言われてた気もしますが、私は一貫して大好きです。

クセのある役どころをクセのある役者が演じて、クセ同士がぴたっとハマった化学反応が見れます。某密着ドキュメンタリー番組で彼の良くも悪くも偏屈な人柄を知ったうえで見ると、余計にハマり役に感じる。本人も楽しみながら演じているのでは？プロデュースの山口氏も最初から彼を当て込んでこのキャラクターを作ったんじゃないかと言うハマり具合。それと、毎回独演のような超長尺のセリフシーンがあるけど、活舌もめちゃめちゃ良いし、全然引っかかる感じがなく引き込まれて話を聞き入ってしまう。もはやドラマのワンシーンではなく講演会を聞いている感覚。彼がドラマの役を超えて本物の実業家やら宗教家になったとしても、今なら納得してしまう（笑）

さすが、舞台向き俳優という貫禄がありました。一人で語るところの説得力の強さ、気持ちの強さ、圧、全てにおいてパーフェクトです。蜷川幸雄さんの舞台を見ているようで、ワクワクしました。視聴者側のこころを動かす力が、抜群でした。

なににも興味のないようなダメ人間のような演技から、熱く語る演技まで、さすが藤原竜也だなと思うようなすごい演技でした。とくに、コウシロウに、金持ちの枠組みの中で戦っていくのか、そうじゃないのかを決めろと叫ぶシーンは、迫力があって良かったです。