極道めし

今年のような異常なまでの猛暑の日に、汗だくの小沢仁志さんが画面いっぱいに映し出されるのは、正直気持ち悪くて辛かったです。グルメをテーマとしたドラマですが、食欲がわくどころか何も食べたくなくなりました。コメディー風なストーリーを違和感なく演じられていただけに、もったいないと思います。

ハスキーでお腹に響くような低音の台詞まわしが渋くてカッコ良かったです。仮出所する一平に「元気でな」と声をかけるシーンでは「頑張れよ」というエールの気持ちだけでなくちょっと寂しさが滲んでいるようにも感じられ、キュンと切なくなってしまいました。

今回のペパーミントちゃんへの対応といい、自棄を起こした一平を諭した時といい、温かく人情味ある芝居が迫力ある強面とギャップがあって良いですね。一番怖そうな荒木さんが「犯罪者なんだけど根は良い人そう…」という雰囲気を醸し出しているので、刑務所が舞台でも妙に親近感があってドラマが見やすくなっていると思います。

新入りに突っかかる一平を「こいつの希望を奪う権利は誰にもない」と諭すシーンがカッコ良かったです。説教臭くはないけど言葉一つ一つに最年長者として人生経験を積んできた重みがあり、荒木の粋さ、人情味ある一面が感じられました。

強面のルックスとハスキーな声が迫力満点でハマリ役だと思います。お好み焼きをみんなでシェア出来るように小さく切るという話は、そのワイルドな外見とのギャップがあって面白かったです。料理の話をしたくないという一平をしつこく問い詰めないところも、粋な大人の男らしさが感じられて良かったです。