特捜9 season2

役に本人の人柄の良さやお茶目さが滲み出ているところが好き。こんなに温かくて人の気持ちに寄り添ってくれる刑事がいればいいなぁと思う。シリーズ物なので何年も見ていて成長を感じるし、主演としての頼もしさも感じられるようになってきた。

浅輪くんのフレッシュな感じがなくなって、すっかりベテランの雰囲気。
頼もしくていいと思うけど、シリーズ初期のちょっとあわてんぼうのバタバタした若い刑事時代が懐かしいな。また見たい。
このままいくと係長になってしまうんじゃないかと思う。

長年続いているシリーズですが、今シリーズも毎回最後のイノッチの笑顔のシーンに癒されます。どんな凶悪事件の後でも、ホッとしちゃうんですよね。これが刑事ドラマには必要なのでしょうが、他のドラマのエンディングよりイノッチの笑顔が素晴らしいと思い、これが長く続くシリーズの秘訣では、と思っています。

同じ特捜メンバーの寺尾聰さんや吹越満さん、奥さんの中越典子さんといった芝居のうまいバイプレーヤーに助けられている感じで、主人公なのに人の好さそうなところ以外は下手過ぎです。その人の好さげな感じも、そもそも素のキャラで、芝居とは言えません。まあそれも個性だと言ってしまえば悪くはないのかもしれませんが、ドラマの内容が刑事ものというより人情ものだとしても、もう少し犯人の情に訴えかけるには思いの強さが見える必要があると思います。

井ノ原さんの演技や役作りを見て、良い意味で身近にいる人を感じさせながらも、問題に直面したときの表情、一生懸命に立ち向かう姿がかっこ良く表現できています。
シリーズを重ねるごとにリーダーシップも発揮し、メンバーの中では若手でありながらも勇敢な姿や周囲に明るく振る舞う姿は、レベルアップしていることが実感できます。

刑事役というと、どうもいかついイメージやちょっと強面や視線の厳しい顔立ちの俳優が多く登場しがちですが、井ノ原快彦さんの刑事役は冷静で人情味が溢れており、言葉使いも丁寧ですので決して周囲に威圧感を与えない印象であり、これまでの刑事のイメージを覆すもので、視聴者に安心感を与えるような雰囲気があります。

いい意味でジャニーズ感がないので、ドラマに溶け込む。
個性派の役者さんが揃う中で、普通の人として存在している。普通の人を普通に演じられるというのは、実はすごいことだと思う。
役に彼の人柄の良さが滲み出ている。しかし犯人に対してはとても冷たい目を向ける。そのギャップが良い。

井ノ原快彦さんの演技は、初めてみたのですが、なんだか大袈裟で、感情移入ができませんでした。表情のうつりかわりも、もっと自然な感じに出来ないのかな、と思ってしまいました。笑顔は、年を重ねても相変わらず可愛らしい少年のようでした。