頭取 野崎修平

野崎を襲撃するシーンが凄まじい迫力で見ごたえがありました。勢い余ってテーブルに突っ込んだり、野崎のSPを次々なぎ倒したり、力任せの暴れっぷりが「絶対に野崎を殺す」という強い殺意と執念を感じさせて怖すぎてゾッとしました。いつも冷静沈着な野崎が腰を抜かすのも納得の恐怖を見事に体現していたと思います。

村上たちを恫喝するシーンも野崎を牽制するシーンも、大声で怒鳴り散らすわけでもなく、メンチ切ってるわけでもないのにめちゃくちゃ怖くて迫力がありました。こういう役って役の内面をしっかり作っていないとただの薄っぺらいチンピラに見えてしまいそうですが、宇梶さんは重厚感たっぷりで「静」の芝居でも凄みや圧がビシビシ伝わってくるところが凄いです。

普通の人は絶対着なそうな真っ白なスーツをばっちり着こなし、低く凄みのある声や語尾がちょっと巻き舌っぽくなる独特な口調で完全に「本物」に見えるのが凄いです。裏社会の人間が醸し出す独特の圧があって、海藤が出てくるとお堅い銀行や金融庁のシーンとはまた別の緊迫感が生まれてドラマにメリハリが付きます。野崎と志穂に向って車を出した時は轢くのか？！と一瞬ドキっとしましたが、それくらい何をしでかすか分からない怖さを常に醸し出しているところが上手いと思います。

1話は車から野崎を見つめるだけという、ほんの数秒の出番だけでしたがめちゃくちゃ怖くてインパクトがありました。台詞もなく後部座席に座ってるだけなのに威圧感がすごくて、射るような鋭い眼差しが迫力満点でした。野崎に何をする気なんだろうと背筋がゾクっとさせられる印象的な演技だったと思います。