19番目のカルテ

ネットなどを見て不安がっている患者に真正面からぶつかるのではなく横からそっと気持ちに寄り添うような、その優しさも押し付けがましいのではなく不安を跳ね除けるような軽いところが茶屋坂先生らしいなと思いました。

下手すぎて、浮いていて、ドラマにはいれなくなる

医局では水を得た魚のように思う存分自分を出しているのに母親の前では目を極力合わせず強がることしかできないところに幼い頃から植え付けられた支配関係が見えました。ただ怖いだけでなく手術中母親の言葉を無自覚に反芻しているところが虐待じゃなく厳しい躾だったんだと認識できました。

母親に怒られると話す時の不安そうな表情や眼差しが子供のように幼く見えて、小さな頃からずっと、母親に対する複雑な思いや呪縛を抱えて生きてきたんだなと感じられたのが良かった。戸惑ったり動揺したり涙したり、いつもの余裕たっぷりな姿とは違う人間味溢れる顔が沢山見られたのも新鮮で良かったです。

徳重と鹿山のやりとりを笑いを堪えるような顔で見ていたり、唐揚げをアーンして反応を試したり、横吹の急変への対応の完璧さをちゃんと分かっていたり、無関心または不快という反応を示す医師が多い中、徳重に興味津々な姿が印象深かったです。言葉や態度の端々に自分の有能さへの自信や外科医としてのプライドが滲むところも良かったです。