35歳の少女

少し不気味な役どころなのですが、表情や口調全てに不気味さが出ていて、見ていてゾッとするような、、改めてすごい女優さんだと感じた。娘に対して重圧感を持って接したり、過去の出来事を思い出したときの涙の演技も素晴らしいものでした。

素直に思ったのは笑顔ではなく、真顔の演技なら右に出るものはいないと思いました。迫力がありすぎます。娘を愛しすぎるあまりの過度の愛情をもったいわゆる「毒親」を見事に演じています。トレンディドラマのイメージが強かったですが、演技派としていろんなドラマに出てほしいです。

若いころの「ママ」と、今現在の「お母さん」との対比が見事です。
しかも今の「お母さん」って、背中がほんの少し曲がっていて猫背になり、年齢を感じさせます。
最初見た時は、同じ保奈美さんが演じているとは思えなくって驚きでした。

あのピリピリした感じはどこから来るんだろう。なんで25年眠ってた娘が起きたのにニコリともしなかったんだろう。それまでの年月に精も根も尽き果ててしまったのだろうか。ほなみさんの無表情にこちらの想像力がフル回転。いつか満面の笑みが見たい。

若い時の母親と、白髪交じりの歳を取った母親を演じられているのですが、特に歳を取った母親の苦労が感じられ、リアル感がありました。現実の母親の闇だとか決して理想ではない所の細やかな感情もうまく演技されていてすごい女優さんだと思います。

最愛の娘が四半世紀ぶりに目覚めて、嬉しくないはずがないのに、それを素直に表現できない人みたいですね。娘のこれからのことを考えたら、喜んでばかりいられないのはわかるけど、それにしたって望美に対しても表情が厳しすぎる印象。暗いとさえ言えそうな顔つきや言動に、彼女の抱えてきた苦労の大きさも感じるけど。

女優さんはきれいに撮られてナンボと考えている人が多い中で、こんな白髪頭でニコリともしない役って得も無さそうだけどすごく物語に含みを持たせて印象深かった。普通なら25年ぶりに目覚めた娘に泣いて喜ぶはずがニコリともしない。これから立派に育てなきゃいけないプレッシャーかな？いつか満面の笑みで娘を抱きしめるシーンが見たい。

35歳の望美に対して、無表情なのが、とても辛く感じます。きっと、事故は、自分のせいだとずっと思っていたはずで、目の前にいる望美にどう接して良いかと、戸惑っているのではないかと感じられる演技。淡々としていながら、母としての切なさを感じられます。

25年間で狂気をまとったなぁ…芯の強い普通のお母さんだったのに、若干宗教にはまったかのような閉塞感がある人になっちゃった…自分の信念が正しかったと肯定されちゃったから、今後の動きが楽しみなようで怖いな。

髪を白髪にしても顔は若々しくて、ほぼ昔と変わらない。過去の回想シーンの演技はまったく歳をとっていない。そのせいなのか能面に見えて目がいつも笑っていないので、ふとした拍子にちょっとした狂気みないなものも感じる。少し怖い。