SUITS/スーツ

磯村勇斗のカメレオン俳優ぶりがすごくて、今後注目するべき人だな、と強く感じました。遊星が大輔に対し愛憎両方の感情を持っていることがよく伝わってくる演技でした。実際に大輔の秘密をバラして危機に陥れたのは自分なのに、大輔に対しあきらめるな的な発言をしていたのにはムッとしましたが、それも遊星らしい感情のブレなんだろうな、と思わせる演技でした。

大貴の足を引っ張る自分勝手なところにイライラさせられましたが、最終回では大貴のために一肌脱いで活躍する姿が頼もしかったですし、その後、砂里と3人でご飯を食べる時の一皮剥けたような晴れ晴れとした表情が印象的で、遊星もこのまま良い方向に更生していけそうだなという希望が持てたのが良かったです。

台詞をやっと喋っている感じで表情の変化に乏しいので、遊星が本当にタダのクズに見えてしまうのが勿体ないです。大貴への嫉妬や劣等感、友情が入り混じった複雑な感情をちゃんと表現出来れば、もっと人として魅力的な人物になりそうなキャラなのに、そこまで演技力が追い付いていないのが残念です。

正直、他の役者さんと比べると演技はまだまだでお世辞にも上手いとは言えないですが、その場しのぎで生きてる、いい加減ですさんだ雰囲気がよく出ていて役に合っていると思います。一緒にいたら自分までダメになってしまいそうな危ない感じがあり、彼が大貴に絡んでくると「大貴、早く手を切りなよ」と見ていてハラハラさせられるところもドラマの良いスパイスになっていて良いと思います。

あまりにも台詞が棒読み過ぎて、とても驚いてしまうぐらい演技が下手だったのでがっかりしました。他の役者の演技レベルがとても高いので、とくに浮いてしまい、登場するたびに残念な演技力で、声にもっと抑揚を付けて欲しいと思いました。

吹っ切れているだらしない悪友役がはまっていて、良かったです。「ひよっこ」の時の人の好さそうなヒデ役とは雰囲気が全然違っていて、役者としての引き出しの多さを感じます。今後も主人公・大輔の人生の邪魔者役になるのか、少しは改心するのか、ワクワクしながら注目しています。