阿佐ヶ谷姉妹の のほほんふたり暮らし

物件探しの時に嘆き方や浮かれっぷり、歩き方まで江里子さんと自然とシンクロしちゃうところが面白かったです。正反対の2人に見えるけど、一緒にいる時間が長いからいつの間にかテンポ感やタイミングが似てきちゃうだろうな。わざと揃えた感じがせず、本当に自然と同じ動きをしてるように見えて互いにそれに気付いていないっぽいところも良かった。マイペースで子供みたいに自由で、一見ワガママで自己中にも見えるけど、何だか憎めないチャーミングさもあって、魅力的で印象深い演技だったと思います。

えりこさんが優等生な姉なら、美穂さんは自由奔放な妹。擬似姉妹なのにいつのまにか役割ができちゃうのが面白い。お姉さんが躊躇なく悲しめば自分は外に出るまで我慢する。支え支えられてる関係がよく出ていました。美穂さんの顔芸も密かに好きでした（笑）

仕事終わりにも1人でフラ～っと帰っちゃうし、会話中もトイレットペーパーの芯で遊んでたり、６畳一間なのにセミダブルの布団を相談もなく買っちゃったり、マイペースでちょっと予測がつかないところが不思議で面白い。それを「変人」ではなく、どこかにいそうな普通の人のように自然に演じているところが上手いなと思います。中華屋のご主人と江里子さんが泣いてる中、一緒に泣くのではなく、お店の外に出るまで泣くのを我慢しているところも、美穂さんらしかったです。

中華屋さんでご夫婦の話を聞いている時に、ふと自分をかえりみてえりこさんに甘えて甘えすぎてることに気づいてちょっと気まずそうにしていた美穂さんが可愛らしかったです。嫌いじゃないけど過多って表現も秀逸でした。

江里子さんにばかりピンの仕事が増えても、ひがむどころか自由と1人の時間を謳歌するところが変わり者でマイペースな美穂さんらしかったです。一緒に並んで歩くのも嫌がっていたかと思うと、江里子さんの体調が悪いと聞くと慌てて駆けつけたり、好物の甘口カレーを作ってあげたり、何だかんだ江里子さんを心配して気遣う姿が2人のほど良い距離感と絆の強さを感じさせて良かったです。安藤さんの、低くて淡々とした独特の口調も美穂さんの掴みどころのないキャラクターに合っていると思います。

江里子さんのお見合い話が進んでいた時はちょっと拗ねたような感じだったのに、その相手が実は自分のファンだったと知った途端に満更でもなさそうに喜ぶ素直さが美穂さんらしかったです。押入れに隠れて江里子さんの帰りを待っていたり、大切な話の途中なのにバイトに行っちゃったり、子どものように自由奔放でマイペースなところも嫌味なく表現していて良いですね。クオリティが超低いけどすぐに古畑だと分かる、下手さ加減の塩梅が絶妙なモノマネも良かったです。

急にカエルの物真似を始めたり、手作りゼリーも1人で全部食べちゃったり、マイペースで掴みどころがない独特の雰囲気がとても良いと思います。芸事に関してはストイックで探究心もあって真剣そのものな姿もまったりした空気感とギャップがあって魅力的です。相当な変わり者だし、なかなかシュールな一面もあるけど、不思議とチャーミングに感じるのも安藤さんの演技力の高さゆえだなと思います。

マイペースでちょっと変わってるけど、どこか愛嬌があって放っておけない雰囲気が漂っていて、江里子さんがつい心配してお節介しちゃう説得力があります。美穂さんの日常を見たことはないけど、きっとご本人もこんな感じなんだろうなと頭に浮かぶくらい、口調もまったりした空気感も江里子さんとの会話の絶妙な間もそっくりで、再現度が素晴らしいです。