晩酌の流儀４

晩酌中はもちろんだけど、その準備をしている最中も本当に楽しそうな良い顔をしていて、美幸にとって「お家での晩酌」が一番なんだなあって伝わってくるのが良いですね。好条件の転職先だから勿体ない気もするけど、その選択をする展開にも納得出来ました。隣でビールを飲まれた時の「羨ましい」「待ちきれない」ってそのまんま顔に書いてあるような表情もチャーミングさとコミカルさがあって良かったです。

お酒１年分のために出来ることすべてやる徹底ぶりが美幸らしかったです。金目鯛のネクタイつけて行列に並ぶシュールさや、ガラポンの練習をしている時の憑りつかれたような眼差し、１位を逃してトボトボ歩く力ない姿など、一生懸命だけど何処かズレてるコミカルさがクスっと笑えて良かったと思います。

野球に車夫に噺家さんと、夢オチとはいえ晩酌のために一生懸命な姿が美幸らしかったです。色んな職業の美幸さんが見られたのも新鮮で良かったし、職場ではあんなに頼もしくて優秀なのに、晩酌が絡んでくると発想も行動もちょいちょいズレて独特になっちゃう天然さも可愛らしかったです。

どんなに注文が多いお客様にも嫌な顔ひとつせず、笑顔で臨機応変に対応する姿が神接客でバズる説得力を感じさせました。「迷うのが当たり前だから」ととことん付き合う姿勢を示す姿も、そこに一切の社交辞令を感じさせず心からの言葉だって伝わるお客様に寄り添う気持ちも、プロだなあって感じられて格好良かったです。変わらぬ気持ちの良い飲みっぷり・食べっぷりも元気もらえました。

万策尽きたか…って状況になっても諦めず、花田一家のために徹夜で走り回って物件探しをする姿が、美幸の「どんな家でも見つけてくれる」という評判の真髄を感じさせました。花田の息子と電話で話した時の辛そうな顔や、最適な物件が見つかった時の心底ホッとしたような清々しい笑顔、自分事のようにコロコロ変わる豊な表情も、お客様にとことん寄り添う美幸らしさが感じられて良かったです。

癖の強いシェフの真意をしっかり汲み取る鋭さと聡明ぶりがさすが。後で読み返しても絶対に意味不明なのに、シェフの言葉を一言一句そのままメモする真面目さと熱心さも、良い晩酌にしたいっていう美幸の熱意が感じられて良かった。突然始まったミュージカルシーンも楽しかったです。

仕事に関してはいつもスマートにそつなくこなす印象だったけど、豪太の「父親に認められたい」という思いを汲んで差し入れを装って岩男にメンチを食べさせたり、豪太の思いを代弁したり、親子のために必死になる熱い姿が見られたのが新鮮で良かったです。以前魚屋さんでまかない用の魚を分けてもらった時や、今回のおまけのメンチカツなど、善意や好意を遠慮し過ぎずにすごく嬉しそうに受け入れる姿も見ていて気持ちが良いです。

鰻が売り切れちゃった時のシュンとした姿が可愛らしかったです。虚ろな眼差しや力の抜けた表情が「落ち込んでいます」って宣言してるみたいに分かりやすくて、店員さんが慌てて代わりの魚を提案しまくるのも分かる。穴子でコロっとご機嫌直っちゃう単純さも、美幸の素直さで真っすぐな性格が感じられて良かったと思います。

優勝賞品にお酒1年分が加わった時の喜びようが可愛かった。甲高い声上げて「最高～！」ってガッツポーズして、ひき肉で下がったモチベーションが一気に上昇してるのが伝わってきて、お酒と晩酌への情熱が感じられました。その後の怒涛の活躍ぶりもさすがで、お酒が絡むと何でもするってライバル店に噂される説得力があったのも良かったです。

晩酌中はもちろんだけど、料理を作っている時のワクワクした雰囲気や楽しそうな笑顔がとても良いですね。見てるこちらまで「もうすぐだぞ～」って気持ちが昂ってくる。準備段階からあんなに嬉しそうで幸せそうで、人生でそこまでのめり込めるものがあるのがちょっと羨ましくなります。

おいしそうに食べ、おいしそうに飲む。簡単そうで難しい。

それにもうこれだけのシリーズになると、芝居が上手いとか下手だとかいうのではなく、この主人公である美幸というキャラがどれだけ馴染んでいるかという見方をしてしまいます。

なので、もう栗山さん以外が演じても、違和感があるし、これでいいんじゃないのと思います。それも俳優にとっては実力のうちと言えるかな。