ブラックペアン シーズン2

素人なのでその手術がどれほどの神技なのかイマイチ分からないので手術のシーンはなんとなく観ていました。ただ引っかかったのは長い時を超えて治すときが来た時に使えるように保管してあった血管のこと。あれって時間が経っているのに癒着とかしないのでしょうか？そこだけが気になりました。天邪鬼に見えた天城先生のあっけない最期に驚きましたが、先生らしくもあり良かったです。心臓に魅せられた男が心臓の病気で死ぬのはなんとも因果だなと思いました。

エルカノ・ダーウィンがいかに優秀なＡＩであれ、天城という天才がただ1人、ダイレクト・アナストモーシスを成功させたからこそ、その術式が記憶されたわけで、これはドラマを離れて、今後のＡＩ時代の人のあり様について、示唆するものがあると思う。最後は菅井を含めてみんな良い医者って感じで終わったけど、これまでの経緯を考えるといきなりだなという感じがする。まあ天城は亡くなってしまったけど、ハッピーエンドということになるのだろうか。ちょっとご都合主義すぎるけど、原作はどうなんだろう？プロの作家がこんなチープなエンディングにするとは思えないのだけど。ともかく全体としては豪華なキャスト陣の芝居はそれなりに堪能しましが、エンディングがすべてをダメにした印象です。

ブラックペアンの約束ははっきりとした言葉では語られなかったけれど、仲間を助けるために破られたということなのだろう。それは患者である徳永側が望んだことでもあったようだし、彼らの悲願でもあったということなのだろう。天城を助けるためにはその術式しかないというのは、天城しかできない以上、先は見えていた。佐伯が院長選に破れ、そこから1年後のようだから、どちらにしても間に合わなかったのだろう。会長の佐伯がセンター長になった高階のＡＩに莫大な予算をつける。元々佐伯が描いていた形とは違うだろうけれど、結果としては同じようなところにたどり着いたんじゃないのかな。

渡海はぶっきらぼうで誰のことも信じていないし無関心だと思っていたから天城の危機に現れたのは感動した。天城のことをずっと見守っていたのだろうかという登場のタイミングは微笑ましくもさえあった。これで借りは返したということなのだろう。危機的状況ではあったもののこれで2人の中ではすっきりした部分もあるのかもしれない。あとはブラックペアンの謎一択となりました。どこまでも患者目線が排除されているのが気になります。

天城が渡海に助けられ、いよいよクライマックスというところですが、佐伯が徳永を隠し続けてきたのには、ただミスを隠すというだけではなく、もっと深い理由がありそうな気がするんだけどね。それは天城の父親にも関わっていることかもしれない。佐伯も天城に対してもっと前に正直に話をすればよかったんだろうと思うけど、そうもいかない内容なんだろう。いずれにせよ結衣の方も危険な状況っぽいから、そちらが世良が対処するとしても、ふたつのオペは波乱をもたらしそうです。

まぁ2人が兄弟だろうというのは分かっていたけどそこからが過酷な運命すぎて辛かった。でも世の中にはいろんな親がいて病気の子供のために面倒を見る要員として兄弟を作る親や、移植が必要な兄弟のために下の子を作る親さえいるので天城たちの差し迫った状況の中でこうなったというのはまだ救いがある方なのかなと思った。ただ天城本人の同意もなしに行われた手術によって天城の命が脅かされるのは違う。誰に怒りをぶつけたらいいのか分からないのは辛いだろうな。

天城と渡海が兄弟なのはなんとなく想像できたけれど双子でしたか。それも2人とも同じ病気を時間差で発症したから、先に発症した渡海は天城のおかげで治ったけれど天城は治せず爆弾を抱えたままだったということか。副病院長の悪魔のささやきに高階が乗らなかったのは良かったけれど、本当に恐ろしいささやきだと思うし、そんな人が上の方に居て欲しくないと思ってしまった。天城は自分の心臓のことわかっていただろうし、新しい病院のセンター長のことどう思っていたのだろう。桜のこととか、今から思えば自分が亡くなった後のこと言ってた気がするし悟っていたって感じなのかな。渡海も最後に現れたし、どこへどう着地するんだろう。

天城と渡海が双子だったという展開は、まあ予想出来ましたが、天城自身が最後の患者とはねえ。佐伯も緑内障なら早期に治療しておけばこんなことにはならないのに、バレると会長選挙に支障が出ると思ったのかな？外科医だし、首を傾げるところではある。一番気になったのは二宮さんに対する演出かな。双子の二役で出すつもりなら、最初から二人の違いをビジュアルの面でも強調しておけば、視聴者が「これはどっち？」という混乱は起こらない。二宮さんがもっとうまく演じ分ければいいという意見もあるだろうけど、そもそも双子の演じ分けは、「似ている」と「違う」の二律背反がある。だからこそ髪色だけでなく、手術服の色とか、はっきり明確な違いを演出して欲しかった。

江尻先生ってどっかで見た顔だなと思ったら大黒摩季さんでしたね！めっちゃテンション上がりました。前にはゲストで恵俊彰さんが出たり、俳優さん以外がちょこちょこ出るので結構楽しんでいます。まぁ演技はご愛嬌ですかね。ハスキーボイスが売りでもありますがちょっとハスキーすぎて聞きづらいところもありました。みんなが夢中なエルカノですが離島での診療を可能にという目的があったのですね。これからは離島じゃなくても医師不足ですから近い将来実用化はあるでしょうね。

あえて手術を失敗したように見せるというのは、医療倫理としてどうなのかというところですが、まあ天城ならば何でもありということなのでしょう。今回は椎野の迫真の土下座がポイントでした。彼女があそこまでやれば、悪徳なわりに甘さの残る菅井たちなら罠にはまる。もっと甘いボンボンの上杉の息子なら、プラス目の前に利益をぶらさげれば簡単に釣れる。医者とかいいとこのボンボンとかにはわからないだろうけど、ビジネスの世界にはこういう頭下げるのなんてどうせタダという強かな奴が実際にいる。椎野の見せ場が光りました。

今までのように人間対人間ではなくなってAIが入ってくる時代になったのですね。少子化の日本にはこれから人がますます減って外国の方やらAIやらにお世話になる未来が来るのでしょう。機械の誤作動でと手術中に亡くなる人も出てくる未来を想像したら怖いですね。天城先生は自分の術式をAIに教える気は全くないでしょうけど後輩を育てる力はありそうです。前の先生とはやり方が違うのはコンプラを意識しているのでしょうか。私は天城先生のやり方の方が好きです。

ＡＩに嘘の情報を教えて学習させておくとか恐ろしすぎる。猫田さんが気づいて必死で止めたから命がつながった。ドラマとは言えヒトの悪意ってどこにでも入り込むのだなと。それにしても会長さんはどちらに転んでも自分が手術を受けれる賭けってちょっとインチキじゃないのかな。天城のいない時に急変。で佐伯は目がやっぱりおかしいんだろうね。ただ単に目なのか脳なのか。菅井との攻防もまだ二転三転しそう。猫田さんが医者になって出ていってしまって、少し寂しいな。

猫田さん、医者になっちゃったんだね。渡海の影響は本当に大きかったんだなあ。しかし、趣里さんの芝居が素晴らしかった。あの目つきといい、表情といい、言葉数は少ないけれど、それを補うものがありました。最後は天城と渡海の医師としての共通点みたいなものを、しっかり感じていたのだろうと思います。それにしても菅井は簡単に人を切り捨てるから、足下を救われるんだよ。そして佐伯だけど目に問題を抱えているようだけど、目だけなのだろうか？佐伯に何かあればスリジエハートセンターの構想は潰えるだろうしね。気になるところです。

人を悲しませた罪人に易々と死んでもらっては困るとは思う。償いも大事だし罪を犯したなら罰は受けてもらわなきゃいけない。だけど木崎の罪はどのくらいの罰が下るものなのだろう。そこまでの重罪ではない気がする。そうなると天城先生という名医に手術してもらえるのは幸運としか言いようがない。なんか割に合わないと思うのは私だけだろうか。数年後にはまたチャラチャラした木崎が何食わぬ顔で外で生活しているかと思うとなんだかモヤモヤした。

再びチェ・ジウの登場です。天城としては空手形の50億円で失脚する気はないし、佐伯よりも慎重だとも言える。それだけ新病院にかけているということなんだろうね。ドラマ的ではあったけど、細部は雑だったかな。原作にあるエピソードなのだろうか？勝手に他人のＵＳＢからデータを抜き出すのは犯罪行為だし、チェ・ジウありきの内容だった気がするのだけど。ＡＩの件はどれだけ優れたＡＩでも、使う人間が愚かならさほど意味はない。太陽光発電を縄文時代に持ち込んでも意味がないのと変わらないからね。あ、縄文人は愚かではないか。ただ知識や技術がないだけ。あるのに使えない現代人の方がよほど愚かだね。

今回は世良先生が大活躍でしたね。医師としての成長もすごく感じられて面白かったです。これからいろんな分野に進出してくるであろうAIは、すごいなと思ったけど繊細に見て気がつける人の目にはまだまだ及ばないだろう。でもこのまま少子化が進んでいつかAIに手術される日がくるかもしれない。あちこちにAIの天城先生が誕生するかも。近未来に想いを馳せながら見るのは楽しかった。それにしても寄ってくる人寄ってくる人みんな心臓が悪いって‥ちょっと萎えるわ。

たぶん医学部でも学ぶと思うのだけど、たとえ同じ症例であったとしても、患者それぞれに違いがあり、同じものはひとつもない。だから症例の集積でしかないＡＩには、検討すべき材料のまとめや手術例の提示などは可能でも、血管の石灰化による脆さの度合なんて細かいところを診断し、適切な対応を考えるのはそもそも無理だと思う。それは機械では真円が作れず、人の手でないと無理なのと似ている気がする。母親を救おうという花房の賭けは負け。天城のことだからそもそも母親が望んではいないダイレクトアナストモーシス手術をする気はないのだろう。何か他の方法があるに違いないと想像します

まぁね、自分の親だからね。いくつになっても生きていてほしいって思ってもいいよね。でも80過ぎて生活保護を受給して医療費無料、その上うちのかあちゃんの手術はいつやってくれるんだって大きな声を出す‥。生活保護を受けるために世帯分離して自分は細々と働くとかそういう知恵は働くんだな。天城がそんな親子に救いの手を差し伸べたのは自分の今一番役に立ちそうだからに他ならない。なんかみんながみんなエゴが強過ぎて引くわ。

見事な天城と世良のコンビプレイでした。こうやって世良は医師として成長し、高階は権力のより近くでうまく生き抜くしたたかさを覚えて行ったわけですか。他の海堂作品を知っていると納得できる部分がより増えますね。その原作に忠実だと、天城は・・・。でもドラマ設定として渡海と似ているとか原作との違いもあるので、ドラマ用のラストになるかもしれません。それにしても医師の倫理とか語る奴ほど私利私欲にまみれているのは、政治の世界となんだか似ています。それだけ権力欲は尽きないのでしょう。本当に嫌だ、嫌だ。

自然に逆らって医療に頼って命を長らえるということはこんなにも大変で惨めな思いをしなくてはならないのかと思いました。今まで一生懸命努力を重ねて作り上げたレシピを売りマグロの解体ショーでもやるかのように見せ物にされる。挙句途中で命の危機を分かっていながら放置され、医師の自己満足のためにそこから救命される。患者目線ではこうなる。救ってやるのだから黙っていろとでもいいたげな態度が不遜にうつる。こんな医者に縋らなきゃ助からないって絶望する。

第一印象は苦手だなというもの。だいたいあんな医者がいたら周りは大変だなと思うし。医者がたとえ優秀でも、それだけで手術が成り立つとも思えないし。ただ、本人に何としても生きようという強い気持ちというかそういうのがないと手術が上手くいっても予後が悪そうだなとは思うから、そういう意味では財産の半分を賭けるというのは分かりやすくて例えとしては良いかも。本当に大切な一つは手元に戻っているから悪魔とまでは言い切れないし。シーズン1を見ていないから、どうも同じ顔をした医者がいたらしいというだけで見ているが、その人物がキーになってくるのだろうか。

海堂尊作品の名脇役のひとりというべき猫田さん。いい味を出していましたね。さすが趣里さんです。天城のような不遜さは、実力が伴えば許されるというのではなく、それだけ多くの人命を救っているという実績が大事。菅井の側も天城について情報不足すぎる。一般論として何パーセントだとか反論したところで、100％を相手にしては説得力がない。でもこういう圧倒的な実力は一回でも失敗すると足下をすくわれる。それをわかっていてやっているのだから、天城にも譲れない何かがあり、東城大に来たのだろう。果たしてそれは何なのだろう？

韓国人が出る必要があったのか？？
その枠を若手の日本人に譲るべきです！！
韓国訛りは虫唾が走ります！！

韓国とは縁もないのに、韓国語のやりとりは必要ですか？？
韓国語が嫌いな人もいます！！

内容もSeason１の方が面白い！

なんか苦手。見初めてすぐに思った。だからシーズン1も見ていない。自分にしかできない手術をもったいぶって神様か何かにでもなったつもりだろつか。それほど難しい手術で自分を鼓舞しないとやってられないってわけでもなさそうだし。まぁ患者の生きる気力がものをいうのは確かだと思うからそれを確認するのはいいだろう。でもそれが財産の半分とはねぇ。最後に思い入れのある一号店を戻したところで実は思いやりもあるいいやつって見せたいのだろうか。やっぱり苦手だ。

手術は技術か、芸術か。まあ「芸術的な技術」とは言うけど「技術的な芸術」とは言わないからね。そして唯一無二の優れた芸術は市場で高値をつけることもある。だから天城が財産の半分を要求してくるのは、ある意味で仕方がないのかもしれないなと感じます。まあ運試しはともかくね。天城が渡海と瓜二つというのが気になりますね。そんな天城が東城大学で何を引き起こすのか、佐伯の意図も含めて興味深いです。全体的に面白そうだけど、芸術的だという手術シーンは、もうひと工夫あってもいいかな。それほど芸術的という感じが伝わってこないから。