ちょっとだけエスパー

宇野さんが入ることで一気に親近感が湧くから不思議です。動物たちにお願いする時の一生懸命な姿がとても好き。身を屈めて同じ目線になって言いふくめているところがなんともかわいい。ミッションをしてくれた動物たちへの感謝も全力で愛がありました。

半蔵がいるといないでは、このドラマの印象が大きく変わっていたと思うし、全体の潤滑剤みたいになっていたと思います。なんだかちょっと情けない感じが可愛らしくも見えるし。

演じる宇野さんですが、このドラマのキャスト陣は大泉さんや宮崎さん、岡田さんなど間を取るのがうまいけど、主演級らしいちょっと独特の間を取る人ばかり。そんな中でも宇野さんはスムーズにつなぐ芝居をしています。さすが経験豊かなバイプレーヤーです。

素晴らしい名脇役。これからもたくさん出てほしいですね。

年下の市松たちにも敬語と丁寧な態度で接する姿が、半蔵の人柄を感じさせて良かった。穏やかで人が良くて、相手の機微を感じ取る敏感さもあって、その半蔵の個性をちょっとした表情の変化や目の動き、会話の間、声のトーンで繊細に表現していたのもさすがだと思います。

動物たちとお別れするシーン、去っていく車に深々と頭を下げる姿やギュッと瞑った両目、堪えるようにキュッと結ばれた口元、半蔵の胸が張り裂けそうな辛さ、寂しさが伝わってきて胸が痛かったです。動物たちを不安にさせないように取り繕って明るく振る舞う姿も、半蔵の優しさや動物たちへの愛情を感じさせて良かったです。

「何をやっても死ぬ気がする～」ってジタバタしてる姿がチャーミングで良かった。シリアスな展開で緊張が続く中、ホッと張り詰めた気持ちを和ませてくれました。今回の円寂さんとのコンビも最高だったし、その相手が文太でも桜介でも、変わらずテンポの良い掛け合いを繰り広げて温かくてホッとするような空気感を作り出せるところも素敵だなと思います。

紫苑との仲が険悪になっている桜介に気遣うような眼差しを向けたり、「やましいことしてないんだし、堂々としていよう」と声をかけたり、市松たちのことも敵扱いせずに「いっそ皆で話し合いましょう」って提案したり、随所で半蔵の平和主義で優しい人柄が感じられるお芝居が良かったです。

おっさんって言われてキョロキョロしてる姿が面白かったです。モスキート音も聴こえてたし、めっちゃ走れるし、まさか自分のことだとは思わないよなあ。きょとんとした他人事みたいな表情がキュートで笑っちゃいました。

嫌な顔ひとつせず、「困ったときはお互い様」と文太の市松調査に付き合う姿が半蔵の人柄の良さを感じさせました。好きとか愛してるって言葉を照れもせずサラリと相手に伝えるところも素敵。文太との「愛してる」「キュンとした～」ってやりとりや友情の芽生えも、ほのぼのと微笑ましくてほっこりしました。

文太に過去を訊かれた時の真顔の沈黙や、違和感ありまくりの話題逸らし、アイスピックを持つ姿も何だか意味深で、宇野さんだからこそ醸し出せる「ヤバい人」感が活きていてとても良かったです。佐助と会話するシーンも、ペット相手の甘さとは違う、同志や相棒へ向ける親しみや対等な関係性が見えるところが良いなと思います。

どこにでもいるようなおじさんなんだけどおかしみがありかわいらしさがあって好きだなー。細かい演技がとても上手でついつい見入ってしまう。しゃがみ込んでハトにお願いしているのも面白かったしちょっとだけってところが似合っている。

おじさんがしゃがみ込んで鳩たちに手を合わせてお願い事したり、普通に会話してる姿が何ともシュールで笑えました。「道交法違反になる」とか「窃盗だよ」とか、頭の回転が速く、何をするにも落ち着いていて現実がしっかり見えてるところも、桜介や円寂にはない頼もしさが感じられて良かったと思います。