ドクターX 外科医・大門未知子 第7シリーズ

病人に倒しては焦りや心配を見せることもあるけれど、オペではどんな状況になろうと即答で"私失敗しないので"と真剣な表情は信頼に変わる。ずっと続いてきたからこその信頼でもあるけれど、米倉さん演じる未知子だからこそここまで長く続いているんだなと感じました。

抜群のスタイルを存分に見せつけ、さばさばした雰囲気を醸し出すキャラ。それがすっかり米倉さんのスタイルとして定着しています。それは水戸黄門の印籠のように、待ってましたと掛け声をかけたくなるくらい、強力な定番コンテンツともいえます。そこには芝居が上手いとか下手とかいう次元のものではない価値があるのだと思います。なので大門のような定番コンテンツを評価するとしたら、視聴者を裏切らない演技とスタイルを維持し続けていることに対して拍手を送りたいです。

未知子は相手のプライベートな部分には自分から触れようとはしないけど、思い悩んでる人には自分の意見としてはっきり言う。蛭間の妻に"妻の病気より大変なことってこの世にある？"とさらっと言ったシーンがとてもらしくて、カッコ良かったです。

オペができない病気で亡くなっていく人たちをたくさん見てきた未知子だからこそ、落ち込んでいる博美への言葉には重みがあった。祐希と博美のやり取りを見て、少し泣いているように見えた表情も意外性があって良かったです。

さつきが亡くなって呆然とする博美を励ますシーンがとても良かった。救えたかもしれない目の前の命が失われて自分もショックを受けているだろうけど、さつきの選択を尊重したいという博美の気持ちに寄り添って自分の感情は極力出さないようにいつもの感じで話しかける姿に、博美への友情や思いやりが感じられてグッときました。博美と祐希のやりとりを、涙目になって切なげな笑顔で見守る姿も、いつもの大門とは違った表情で印象に残りました。

自分の信念がちゃんと真っ直ぐ心にあってどこにいようが何してようが医者としての目を持ってるのがわかる表現がとてもよかったです。ただ病院を好きにできないのにオペを計画しちゃう短絡さ等、完璧じゃないと感じさせてくれるところもあって応援したくなります。

自分たちの利益や損得しか頭にない蜂須賀たちと違い、目の前の患者を救うことを最優先する誰にも媚びずブレない姿はいつ見ても清々しくて気持ちが良いです。口と態度が悪過ぎてたまにヒヤっとすることもあるけど。森本がいつものパターンを期待して何度もオペ室の扉を確認していたけど、やっと登場した時の貫録たっぷりで絶対的な安心感がある姿も格好良かったです。

オペができないことに不満があるときの表情とは違い、自分ではなく原を売り込む晶さんに違和感とか不満を抱いていた表情が印象的でした。未知子は晶さんに最大の信頼を寄せているので、関係が壊れないかドキドキしてしまいました。

水戸黄門的な展開のドラマだから、ここで未知子が出てくるなっていうのは予想がつくんだけど、「もうダメかも…」という危機的状況でサッと登場する姿はやっぱり何度見ても格好良い。必ず助けてくれるという絶対的な安心感と貫録があってホント頼もしいです。屁理屈こねて自分の行動を正当化しようとする興梠に「二度と逃げんなバカ」と吐き捨てるシーンもスカッとしました。

派手なドレスが負けてるくらいの変わらない美しさとスタイルのよさに大門が帰ってきたとわくわくしました。お肉やたい焼きに大興奮の表情とカルテや患者を見るときの表情のギャップも変わらず良かったです。

相変わらずのスタイルの良さと美しさで、ド派手な衣装もバッチリ着こなして下品に見えないところがさすが。口と態度の悪さも健在で未知子が帰ってきたな～って実感しました。お肉にテンション上がってはしゃぐ姿と、急変した患者に気付いてすぐに医者の顔に切り替わる姿のギャップも魅力だと思います。周りを巻き込まずに感染リスクを負ってまで自分1人で一木のオペをするシーンは、未知子の患者を絶対に救うという医師としての信念と責任感の強さを感じさせてグッときました。