Dr.チョコレート

表情がいい。
子供っぽい時、大人っぽい時、それぞれ表情が的確だ。綺麗な目をしている。医学的に難しいセリフも難なくしゃべれている。

ほんとに演技は初挑戦？ってぐらい堂々としっかり演じていました。長いセリフや早口のセリフは辿々しさが残るけど、それが10歳のリアルかなとも思うし下手に作り込んでいない気がして良かったです。チョコレートを食べる表情がほんとにかわいくて幸せな気分になりました。

いつも命に対して真摯である態度がみんなの心を一つにしているのだろう。大人たちがわちゃわちゃしてしまっても場を引き締めるようなキリッとしたところがあって好感が持てる。ティーチャーに守られてばかりではない頼もしさも出てきたね。

本格的な芝居はこれが初めてというのだから驚きます。母親役の安達祐実さんも天才子役だったけど、それに負けない演技力です。芝居って、自分が感じるよりも大きく動き、大袈裟に表現しないと、見ている側にはそう見えないものです。特に初めて演じる時はその感じがわからなくて、動きや表情が止まるか、こじんまりとしてしまいがち。ところが乃愛ちゃんはしっかりと大きく演じている。それで違和感がないのは、身体表現能力があるということ。今は変に小手先に走らず、このまま大きく演技して欲しいです。

とにかく絵が保つ。個性的な衣装も着こなしてしまう独特な可愛らしさがあって目を引きます。ティーチャーは親でも友達でもないけど、一番信頼できる人。普段はしっかりしているけど、甘える時はしっかり甘えるのが子供っぽくて好きだな。

「大丈夫！いっぱいシュミレーションしたから！」というセリフを手術を前に言うところは勇ましく、授業参観に誰も来ない時の想定では少し寂しそうにと同じセリフで表現を変えているところが良かったです。あんな風に言われたら力になりたい！と思ってしまいます。

オペ中の患者さんを前に周りの状況がどんなになっても変わらず集中しやり遂げる。おままごとなんて言わせない真剣な演技に引き込まれます。そんな天才的な部分もありながら学校に行きたいとティーチャーにいう場面はもじもじしてて緊張感が感じられた。オッケーをもらった時の弾ける笑顔がとてもかわいかった。