フェイクマミー

茉海恵からの電話に出ない理由を誤魔化すことなく正直に伝える姿が実直な佐々木らしかったです。「嫌われたてたんじゃなくて良かった」にも「そんなことは決して」と照れもせず真っすぐ茉海恵を見つめてはっきり口にするところも格好良い。良い感じになりそうな匂わせはありつつも、アプローチというよりは自身の気持ちに正直、素直っていう佐々木の性格に重きを置いてるように見えるのも、佐々木の立場的にもキャラとしても自然で良いと思います。

薫と怪文書について話すシーン、例の探偵モードに突入してしまう姿が面白くて、緊張感漂うシリアスなシーンなのに笑ってしまいました。狙ったコミカルさではなく、本人は至って真面目で真剣だって伝わってくるから余計にチャーミングさが際立ち、その天然さが嫌味なくナチュラルに醸し出せるところも良いなと感じました。

茉海恵の母親の勢いに完全に押されてる姿が面白かったです。最初は頑なでクールな人っていう印象だったけど、教育への情熱や、気さくでちょっと天然でチャーミングな人柄など、次々とギャップのある姿を露呈していって、回を追うごとに親近感と魅力が増していると思います。サザエを食べた時の目を真ん丸に見開いた「旨い」も可愛らしかったです。

５者面談のシーン、変に同情したり理解を示したりせず、「不正行為を正当化しないでいただきたい」と毅然とした態度を見せるところが良かった。そこから子供の可能性を潰してしまった後悔や同じ過ちは二度と犯したくないという思い、今度こそ逃げずに向き合おうと覚悟を決めるまで心の動きが、繊細に変化する声のトーンや表情からしっかり伝わってきたのも良かったと思います。

薫を屋上に呼び出しての名探偵推理、楽しかったです。的外れな推理なのに表情も仕草もめちゃくちゃ入り込んでなりきってるのも、指差し決め台詞が「虹汁のレシピだ！」なのも面白過ぎる。シリアスに立ち去ったあと、「めちゃくちゃ恥ずかしい～」って階段を駆け下りていく姿も可愛らしかったです。

極を飲んだ時の憤ったような表情や、新商品のアイスを食べた時の詳細で具体的な感想、ほんのりオタクっぽさを感じさせる早口気味な口調、本当に虹汁が大好きで佐々木の生活に無くてはならない存在なんだなって虹汁愛の強さが伝わってきたのが良かったです。

陰のある雰囲気であまり笑顔を見せないけど、薫の「同調圧力」発言にハッとした表情をしたり、柳和会に意見したり、心の内にある真っすぐさや正義感の強さが伝わってくる演技が良かったです。茉海恵の「ササエル」呼びに面食らいつつ笑みを浮かべたり、控えめに手を振り返したり、学校での堅い表情とは違う、ほんのりと体温を感じさせる人間味のある姿も、本来の佐々木が垣間見れたようで印象深かったです。