刑事7人 第7シリーズ

7人の中でも、特に複雑な背景がある青山。施設で育ち、不良だった時期もあり、もっとも熱く、行動力があり、人を信じ続けられる姿は、このシリーズに限らず、ドラマを展開するのに重要な役回りでした。塚本さんはこのキャラクターのディテールを丁寧に演じ、7人の中でもしっかりと性格に裏打ちされた表現をしていたと思います。個人的に好きな倉科カナさん演じる水田と良い関係なのは癪に障りますが、目立たないけれど、とても良い役作りと演技をしているなと思います。

フラグ立ちまくりで殉職かと心配したけど、無事に生還して本当に良かったです。普段と違って冷静さを欠く天樹を心配してついて回る姿も「こんな人じゃない」というもどかしさが伝わってきたし、回想シーンで天樹に生まれ変わりたいと話す姿もちょっと本気っぽくて、本当に彼のことが好きで尊敬してるんだなと感じられました。環とのじれったい関係もほのぼのして良かったです。

不利な情報ばかり出て来ても最初から最後まで笹井の無実を信じて必死で捜査する姿が格好良かったです。回想シーンでは笹井の出所時にシャツを差し入れてあげたり、社会復帰した様子を見に行って世間話をしたりと、頑張っている笹井を放っておけない青山の面倒見の良さが伝わってきました。現代シーンでも自暴自棄になる笹井に掴みかかったり、「お前はクズなんかじゃない」って泣いたりと熱血刑事ぶりが窺え、新人の頃から刑事としての信念や軸がブレてないことが感じられたのが良かったです。

環がデートに行ってしまった後、ちょっと不満げな複雑そうな表情を浮かべたり、居酒屋でやさぐれて呑んだり、環が詐欺犯を連れて戻ってくると男をニラみつけたり、分かりやすく嫉妬やモヤモヤが顔や態度に出てしまう姿が素直で微笑ましかったです。それを環には決して見せずに、刑事としての先輩・後輩関係をきちんと守って接する律儀さも青山なりのけじめが感じられて良かったと思います。

環のために味付けに拘った料理を作ってあげたり、ご飯のおかわりをよそってあげたり、甲斐甲斐しく世話を焼く様子が短気でやんちゃな普段の姿とギャップがあって良かったです。環の方が細かいこと気にしないサバサバ男っぽい感じでバランスの良い2人ですね。オンとオフで敬語とタメ口を使い分ける器用さや気遣いの細やかさも意外で、環とのルームシェアのおかげで青山の新たな顔が見られるのが新鮮で面白いです。