刑事7人 第9シリーズ

飲みっぷりの良い路敏に「今日はほどほどにしとけよ」と忠告したり、結局酔っ払って寝てしまった時も「仕方ないな」って感じで笑いながら上着をかけてあげたり、仕事以外でも後輩の面倒見が良い姿が多く見られたのが良かったです。海老沢や拓海もいる中、体格も良くて色々と厄介そうな寛二の隣にぴったりついて率先して事情を聴くところも、そういう相手に一番手慣れている青山らしさが感じられて頼もしかったです。

「正義を全う出来ない組織なら無理して残る必要はない」ときっぱり言い放つ姿、格好良かったです。最後まで捜査を続けるという強い覚悟が感じられました。天樹に夜食を差し入れるシーンも、天樹に頼り過ぎてることを謝ったり「いつまでも一緒にいてくれるわけじゃない」と口にしたり、何となく天樹の覚悟を察しているように感じられたのも、ずっと天樹と一緒にやってきた青山らしくて良かったと思います。

このドラマで、シリーズを通して成長の跡がもっとも見られるのが青山です。最初は育った環境もあって人情味や男気はあるけど、どこか不良の延長上にいる印象でしたが、天樹たちに鍛えられて、水田と恋人になり、今回は天樹にいつまでも頼らない思いを吐露するなど、人として刑事として成長し続けています。塚本さんの芝居も、若手ポジションだった頃に比べ、今は中堅としての落ち着きと配慮が見えるものに変化しています。長くシリーズを続けた経過が見えてくる、よい芝居だと思います。

原田に「抜けるなら手伝ってやる、腹決めろ」と迫るシーン、格好良かったです。力強く原田の肩を掴む様子や落ち着いた口調が、口先だけではなく絶対に何とかしてくれそうな頼もしさを感じさせました。詐欺グループの中に乗り込んでいく時も堂々として余裕があり、乱闘から犯人を床に押さえつけて手錠をかけるまでの一連の流れも、こういった現場はお手のものって感じの小慣れた感じがあって見応えがありました。

後輩の青山や路敏と行動することが増えたからか、以前よりもさらに頼もしさが増して、良き先輩・兄貴という姿が多く見られるようになったのが新鮮で良いですね。逃亡した半グレ男を捕まえる時の全く慌てない余裕っぷりや、取り調べで「ビビってんだろ」と相手を挑発してボロを出させるシーンなど、この手の犯罪者の扱いをしっかり熟知している姿も、青山らしくて格好良かったです。