緊急取調室 (第５シーズン)

秋絵が成仏してないんじゃないかって怯える姿が子供みたいで可愛らしかったです。梶山に大笑いされてムキになって反論するところも、二人の空気感がほのぼのと心地よくて、菱本たちに「夫婦喧嘩」って揶揄われちゃうのも分かる。秋絵の真似も、話すテンポや語尾が上がる癖、笑い方、全てがそっくりで、譲二や副総監が本気でビビる説得力がありました。

山田に翻弄される姿や、大声を出して怒ったのが芝居・作戦だと悟られていた時の表情、「真壁さんみたいによく怒る妻だった」と言われた時の切なげな眼差し、こうやって戸惑ったり苛立ちがほんのり滲んだり、悔しそうだったり、刑事ではなく真壁個人の心情が垣間見れたり、常に完璧なわけじゃない、飾らない人間臭さが見えるところが素敵。毎回ほぼ取調室のシーンだけど、いろんな表情を見せてくれるから飽きないし、しっかり画がもつところもさすがだと思います。

梶山の「母目線のアシストを」に「望むところだ」って威勢よく返すのが頼もしくて格好良かった。誰よりも威勢が良くて男前だけど、大人としての弁えや品もちゃんとあってガサツに見えないところも素敵。息子を信じ切れなかった矢代を見つめる眼差しに刑事としてだけではない、同じ母親としての哀しみが滲んでいたのも良かったです。

礼奈の無邪気な態度や言動に調子を崩されながらも、いつも以上に落ち着いた声のトーンと態度で辛抱強く取り調べを続ける姿がさすが場数が違うなって経験の豊富さを感じさせて頼もしかった。清原が取り調べに立ち会うシーンで、礼奈と清原の間にサッと割って入って礼奈を守るところもさすがの俊敏さで格好良かったです。

梶山との喧嘩シーンが見ていて気持ちが良いくらい滑らかで息ぴったりで、子供みたいにムキになる表情や口調も相まって「遊びだから」「じゃれてるだけ」なんて揶揄われてしまう説得力があるところが良かった。素直になれない不器用さやチャーミングさと、取り調べシーンの格好良い姿とのギャップも魅力に感じます。

倉持の供述を聞いている時の表情に憤りだけでなく悲しみが滲んでいるところが良かった。磯貝がすべてを悟っていたことも、利津子の思いも分かっているからこその悔しさやもどかしさ、倉持への哀れみのようなものが伝わってきて、ただ自白させるだけではなく、事件の深いところまで丸裸にする真壁らしさが感じられました。利津子への「生きているうちに聞きたいことは聞くべき」という言葉も実感が籠っていて切実に響き、彼女の心を動かす説得力があって良かったと思います。

メンバーと一緒にいるシーンが多いし衣装もシックだけど、パッと目を引くオーラがあって主役の説得力があるのがさすが。辻本の表情を探るように間をたっぷり取ったり、挑発したり、畳みかけるように攻め込んで自白させたり、押して引いての駆け引きも鮮やかで見応えがありました。メンバーとのリラックスした空気感やポンポンとテンポの良い会話も信頼関係の強さと絆の深さが感じられて良かったです。