緊急取調室 第4シリーズ

悪い顔をしてるときがちょっと無理してる感じがあって、ナベの真っ直ぐさやパシりを受け入れてる姿を見て少しずつ心が揺らいでいるようだったので、素の自分として謝罪したシーンがすごく良かったです。

スパイをしていたことをキントリメンバーや渡辺の前で謝罪するシーン、山上の真っすぐさや正義感の強さが滲み出ていて良かったです。保身をせず事実をありのまま話す誠意ある姿も、出世のためではなく東の死の真相が知りたかったという理由に説得力を持たせていたと思います。渡辺の熱い言葉がちゃんと届いていたんですね。熱血な先輩とクールな後輩でモツナベとはまた違った凸凹っぷりだけど良いコンビになれそうで安心しました。

刑事部長のスパイみたいな行動を取っていて怪しい一面もあるけど悪い人には見えないし、イマイチ掴みどころのない感じが面白いです。真壁を中高年呼ばわりした時の悪意のなさそうなきょとんとした顔や、菱本に尾行を気付かれて撒かれてしまうちょっと鈍くさいところなど、まだまだ若くて青臭い一面がたびたび垣間見れるところも親近感がわきます。

つけてるときの"任せてください"と言わんばかりの自信満々な顔、あんなにわかりやすい尾行バレるだろという予想のまま逃げられて動揺してた顔、菱本の単独行動を他のメンバーに言ったときの弱々しい顔、コロコロ変わって見ていて面白いです。

ナベを馬鹿にしながらも手伝いはしないけど真面目さを発揮するナベを見つめる目には頑なな性格とは違って戸惑いが少し見えて、モツナベコンビのような熱いコンビになっていってほしいなと思えました。

生意気でお堅い部分もあるけど、自ら池に入って捜索をする渡辺を見つめる目や、「重要任務」を譲ってもらった時のハッとした顔など、良い方向に変わってくるのではないかという期待が持てる瞬間が垣間見れたのが良かったです。クールで冷めた雰囲気も熱い渡辺と良い対比になっていたと思います。

あの大杉漣さんが演じていた善さんの息子ということのようですが、仏の善さんの息子のわりに刑事部長のスパイもどきをしていて、渡辺に対してもちょっと横柄な態度をとっているのは、父親に対する葛藤と反動の現れという設定なのでしょう。ただ工藤さんは、まだそういう設定にのった芝居をしているだけで、山上自身の人間性みたいなものが感じられません。このまま潜在的敵になるのか、味方になるのか、視聴者にわからせないための演出上の都合かもしれませんが、それならそれでもっと脅威となりうる刃みたいなもの感じさせるところがあってもいいように思います。

頑なで組織に従順でキントリとは相容れないちょっと斜に構えたキャラクターかと思いきや、秘書が本当に殺されたのか疑問に感じて動画をくまなくチェックしたり、疑問に感じた理由も正直に話すし、警察官としての信念や正義感の強さが垣間見れたのが良かったと思います。入退室の際に背筋を伸ばしてきっちり頭を下げるところも山上の生真面目さが感じられました。

一見かたくて真面目で不器用そうなのだけれど、何かを隠しているようにも見えて。キントリに因縁もあると言っていたので、そのあたりなのか、ハイジャック事件に関してなのか、隠し事のある少し違和感のある雰囲気が上手く出ているような気がする。