マル秘の密子さん

上杉さんと福原さんは「チート」で共演していましたね。そのせいか二人のシーンもだいぶ多かったのですが、よく呼吸が合っていたように感じます。

上杉さんは最近だと「ミス・ターゲット」とか、見るたびキャラが異なり、しっかり体に役柄が馴染んだような芝居をします。どんな役作りをしているのか興味深いですね。

この遥人という役も、途中まではボンボンの悪党に見せなければいけないし、終盤ではむしろ密子の協力者として活躍します。それをキャラを豹変させるのではなく、見ている者の見方が変われば、実は悪い奴ではないとわかるような一貫性のある演じ方をしています。

これはかなり難しい。

演出家の手腕もあるでしょうが、役者が意識的にやらないと、どうしても終盤に人が変わったようになってしまう筈です。しっかり脚本を読み込み、演技プランが出来ている役者さんでないと無理です。もしそうでないなら天才でしょう。いずれにしても素晴らしい。

変に感情豊かな役よりこういうぶっきらぼうな役の方がこの人には合っているのかなと思った。シュッとしててカッコいいし、それなりに目力もある。優しい役よりこっちの方がミステリアスでバカなお坊ちゃんでは終わらないような気がする。