日曜の夜ぐらいは

もともと個性のある芝居ができるし、このキャラの奥行がよく出ていたと思います。タトゥーにしても一見すると彼女の軽さに感じられるけど、実際には愛情の深さや優しさが空回りした結果だとわかるし、ひとりだけ最後まで本当の家族との関係はうまくいかないままでも、ドライバーらしく俯かずに前を見るところは、小さな体に似合わないパワーを感じました。ムードメーカーとしてのキャラですが、岸井さんは素晴らしいノリを作り出し、全体のリズムや雰囲気を引き出す良い演技だったと思います。

タクシーを運転しながらみねをからかっていたところが面白かったです。みねをからかいながらもケンタに改名しろとしつこくしたのは気があるからで、なんだかんだかわいいなと思いました。宝くじが当たってもがっつかなかったのが意外でしたが根はいい子ってことが分かり良かったです。

なかなかパンチの効いた役で調節の効かない声の大きさに辟易しながら見ましたが、そのバランスの悪さが翔子の今までの生きづらさを象徴している気がして演技としては悪くなかったです。フレンドリーさを通り越してウザかったですがそれが翔子のような気がします。