おいハンサム!!2

選択を間違えたかも、あれが運命の出会いだったかもと嘆く里香を励ますシーンが格好良かったです。ふざけることなく珍しく的確なアドバイスをしていて、人生の先輩らしい頼もしさが感じられました。死体みたいな格好で椅子に座っている里香に「ヒッ」と声を上げて驚いたり、里香の奇行に呆れたり、時には一緒になって騒いだり、リアクションや台詞の間が独特で面白く、ふせさんにしか出せない味があるところも魅力に感じます。

大森のことで取り乱す里香を宥めたり、大介からのLINEを代読してあげたり、彼女の大騒ぎに付き合いつつ、最後は「仕事と向き合って」とちゃんと働くモードに促すところに上司らしさが感じられました。ただ一緒に騒いでるだけのおばちゃんじゃない姿が垣間見れたのが新鮮で良かったです。大介のフリをして一人で小芝居をしている姿も面白かったです。

低音美声の「五番街のマリーへ」、めちゃくちゃ上手くて聴き応えがありました。さわりだけじゃなく割と長めにしっかり歌い込むのも面白い。里香の恋を応援するために背中を押しまくるところも、やたら圧が強くてしつこいし、面倒見の良い人なんだろうけどちょっとお節介が過ぎるおばちゃんっぽさがあるところも橋本らしくて良かったと思います。

里香と一緒になってふんばる星人の再現をするシーン、里香役の佐久間さんとのやたらテンション高いやりとりが迫力あって見応えがありました。物凄い表情で必死に踏ん張ってなり切ってる姿や、あんな本気だして再現に協力してたのに「キーボードは優しくね」とスッと我に返った時のギャップも面白い。笑わしてやろうっていう力みは一切ないのに、表情も仕草も妙にツボにくるというかつい笑ってしまう独特な面白さがあるところが魅力だなと感じます。

里香に来た食事の誘いに興味深々だったり、間違って予測返信で返事返しちゃったり、それを他人のせいにしたり、絵に描いたような「ちょっと迷惑なおばちゃん」っぷりが面白かったです。イタリアンを何度も「イタリア」って言ってるのもジワジワくる。淡々とした里香との微妙に噛み合っていないやりとりが楽しいので、もっと職場のシーンが増えて欲しいです。

里香のデスクの後ろにチラっと映るだけでも不思議と目がいき、存在感があります。様子がおかしい里香に声をかけるときの、ちょっと引き気味の表情と、刺激しないように声のトーンを落としてツッコミを入れる姿もシュールで面白かったです。変に面白くしようって気張ってるわけではないんだけど、どこかコミカルでクスっと笑ってしまうお芝居がとても良かったです。