六本木クラス

刑務所に入る前の龍河は調子に乗って世の中を舐め腐っていたボンボン。バックがいるからなんでもできると思っていた甘ちゃんだった。ただ父親に嵌められる形で刑に服すことになってからは目の暗さがどんと増して裏切られた悲しみが龍河の存在感を大きく見せる。やっぱりあれでは終わらないすごい俳優さんだと思う。

世の中の子は父親に抱きしめてもらったことがなくたってあんなにバカには育たない。会社が息子かと迫られるほど大事な存在ならもっと違う意味で大事に育てたら良かったのにね。演技がうまいのかもしれないけどバカっぽすぎてやりすぎじゃないかと思う。

バカっぽさに拍車がかかって最近じゃ常に酔っ払っているかのように歩き方もふらふらしていて見苦しいです。龍河は確かにバカで愚かだけど、あれじゃ障害レベルでしょ。血筋が大事な一家の跡取りとは思えない育ちの悪さが謎。

目の表情がすごく豊か。いつも上目遣いで人を見るところや、落ち着きのない視線運びなんかに、龍河のパーソナリティが上手に表現されてるように思う。

ちょっとやりすぎだと思うほど嫌なやつ全開の龍河。あんなんじゃ誰の息子だろうとついてくる人はいないだろうけど、この人が憎らしくあればあるほど新の誠実さが際立つのだからいい効果が出ているんじゃないかな。でもあれ以上の顔芸はやめた方がいいと思うけどね。

前半まではよくある登場人物。親の威光を傘にきて学校で好き勝手に振る舞う。ただ途中で宮部さんのお父さんを殺してしまってからがすごかった。新を目の前にしてブルブル震え弱っちく殴られ続ける。お父さんに鳥をつかまされて震えながら覚醒していく姿はまるで狂気だった。