最後の鑑定人

「年に1度の大切な日なの」「失敗できない」とめちゃくちゃ真剣にサプライズの準備をする姿が可愛らしかったです。土門がクラッカーを落としてしまった時のオロオロっぷりや、慌ててごまかそうとする姿、ケーキがあることをうっかりばらされてしまった時の落胆の表情など、土門との息が合ってるのか合ってないのか分からないコミカルなやりとりも楽しかったです。

だいたいが言い争いではあるけど、テンポ良くポンポンと会話のラリーが続いたり、互いをよく分かってるからこその遠慮のない空気感だったり、土門のダメなところを何だかんだ受け入れていたり、土門のことを真に理解して受け止められるのは尾藤しかいないんだろうなあって感じられるところが良かったです。やり直すわけではないって言ってたけど、土門との関係が良い方向に変化しそうな穏やかな雰囲気も、去り際に見せた晴れやかな笑顔も素敵でした。

何で私がって文句を言いつつ、土門の「君が一番信用できる」という言葉に満更でもなさそうだったり、優しい言葉をかけられたときのちょっと居心地悪そうで照れ臭そうな表情だったり、土門が絡むと他の人相手なら絶対に出さないであろうチャーミングな姿を見せるところが良いですね。離婚してもやっぱり土門は特別な存在なんだなって伝わってくる。鑑定をしている時の真剣な眼差しも、無駄のないスマートな身のこなしも格好良かったです。

一人で全て抱え込もうとする土門に「彼女も私もいる」「犯人見つけて決着つけよう」と寄り添うシーンが良かった。説教臭くもなく、優しすぎることもない絶妙な塩梅で鼓舞するところが、気難しい土門の性格をよく理解している尾藤らしくて、さすが元夫婦だなあって説得力が感じられました。

他の人ならイラっとして怒り出しそうな土門の発言にも、表情ひとつ変えずに淡々と切り返す姿が二人の付き合いの長さを感じさせました。便利屋じゃないって言いつつ協力してあげるシーンも、土門なら解決に導けるだろうっていう信頼や、困っているのを放っておけない情が感じられて良かったと思います。

「科捜研に喧嘩を売ってどうするの」「組織にはルールがある」って土門に釘を刺しに来たり、裏で榊に鑑定の口添えをしていたり、尾藤なりに土門を気にかける姿が印象的でした。遠慮のない態度や口調も、元同僚だけではなさそうな距離を感じさせて良かったし、土門からの「ありがとう」待ちのワクワクした表情も可愛らしかったです。

土門の思惑通りに複願を引き受けてしまった時の悔しそうな表情や、宣言通り1週間で成果をあげた時の得意げな顔、土門に「感服する」と言われた時の満足げな笑み、土門とのやりとりでちょいちょい見せる人間味のある姿がチャーミングで、クールな見た目とのギャップに魅力を感じました。すぐ言い合いになるけど、実は土門のことをよく理解していて、彼の有能さをちゃんと認めているのが伝わってくるところも良かったです。