最高の教師 １年後、私は生徒に■された

いつもの人懐っこい笑顔は封印して毎週毎週子供達と正面からぶつかる姿に感動しました。そこまで年齢差のない若者たちを相手にするのは大変なエネルギーがいると思います。あんなに大きくなってしまった子供を軌道修正させるのは並大抵じゃない。言葉の一つ一つに思いを込め全力で向き合っていくところがとても良かったです。

どんなことが起きてもクラスの子どもたちが動揺して制御不能にならないようにクラスの隅々まで目を配って一番落ち着いた声で心に届くようにしっかりと言葉を選びながら話す姿が印象的です。思わず西野にふざけんなと素が出たところに葛藤が見えてとてもよかったです。

感情を出しすぎることなく教室で誰が何を言い出しても全て拾い上げきちんと言葉を尽くして分かってもらうという姿勢が見えてすごく尊敬します。丁寧な言葉で適度に距離を離して問いかけるところが高校生を1人の人間として対等に扱っているように見えてとてもいいです。

鵜久森さんを死なせてしまったという大事な局面で生徒たちに全力で立ち向かう姿がとても力強く大人の本気を見せてもらいました。ここぞというところで逃げてはいけない。1人も見逃さないぞという強い気持ちが生徒にも伝わったと思います。

自分に悪意むき出しの体も大きい高校生に立ち向かうのってすごく勇気がいるよね。ニコリともせず媚びもせず、淡々としているのに惹きつける何か熱いものを感じられる。静かなのに情熱を感じるところがすごいなと思います。

瓜生と母親を対峙させる場面で瓜生が喋るごとにまだ出せると腹の奥を見るようにじっと目を見つめて言葉を促しているところにすごく感動しました。先生が代わりに話すのではなく黙って見守るスタンスだけど、とても力強く背中を押しているように見えました。

これだけの若いパワーの前に1人でたいじするってすごくパワーがいることだよね。それを小さな体で精一杯演じていた。前半の何でもしますは媚びるようにだから私を殺さないでとでもいいたげな表情で、後半の何でもしますは殺されてもいい覚悟が見えて九条が生まれ変わったようで身震いがしました。