桜の塔

令嬢の雰囲気もありつつ、それだけではない何か不思議な存在感がさすがだと思った。蓮と結婚した後のひとりで物寂しい雰囲気や、愛のために殺人をした時の雰囲気など、幅広い感情の演技が観ていてとても引き込まれた。

上條さんに依存しているんだなという気はしていましたが、まさかマインドコントロールされているとはびっくりしました。きっとお父さんへの依存から上條さんへの依存に変わっただけなのかもしれない、と感じました。女性にありがちな弱さが露出している存在だったんでしょうね。

結婚前は、どちらかと言うと優愛のほうが強気で主導権を握ってたのに、今じゃ完全に漣の言いなり。というか、「実家に帰れ」と言われたときに漣に縋りつく様子は、まるで教祖に仕える信者みたいだったし、いったいどうしたの？って感じ。

親に大事に育てられた割には性格もひねくれてそうだし、男女の関係についても年齢相応にスレたところもありそうなのに、漣に関してだけは割と純情というか一途なのが不思議。恋愛中も結婚してからも大して大事にされてそうでもないし、あのワガママな性格ならもっとブチ切れもしそうなものだけど、漣に対しては何か遠慮みたいなものを感じる。拒絶されて捨てられるのが怖いのかと思うけど、全然幸せそうじゃなくて、見ていてなんか可哀そうな気がするわ。

いまは上條に心底惚れていて、気の強かった雰囲気も影を潜めているけど、いつ変化するかわからないエキセントリックさは感じる。爽に上條のことを相談するのも、どこか計算にも見える。変貌した時に上條にとって味方になるのか、父の千堂側に付くのか。ちゃんと優愛に優しくしてあげて欲しい。

心のどこかで漣は政略結婚をしたと気づいているはずなのに、本当にそれで幸せだと思っているのかとても気になります。実は彼女も以前犯罪をしており、それをもみ消されていたというのも驚きました。もっと悪女だと思ったら結構素直でいい子そうなので、いろいろ巻き込まれて可哀そうだなと思います。

優愛はフィアンセの上條漣が大好きなのに、彼の恋心が自分にはないことを徐々に悟っていく、毎回の表情がいよいよ変化していき、うまいです。
漣とウェディングドレスを見に行ったのに、仕事のことで常に頭がいっぱいの漣に対し、せっかくの試着姿で「誰の結婚式よ！」の様に怒鳴る表情が好きです。