シバのおきて～われら犬バカ編集部～

会社を辞める相楽に素直に寂しさを伝える姿が温かくて良かったなあ。それだけ相楽と過ごす時間は楽しくて馬が合ってたんだろうなあって伝わってきて、意外ではあったけど違和感を感じさせなかったのもさすが。相楽への「あんた」呼びも、近いけど近過ぎない二人の絶妙な距離感が感じられて好きでした。

「守秘義務があるから」なんて言いつつ、石森の隣に座り込んでめっちゃ喋る姿が面白かったです。清家の「すごい喋るじゃん」ってツッコミに「ね～」ってかなり他人事な反応なのも笑った。誰とでもノリよくテンポよく会話を繰り広げる姿も銀次の人柄の良さを感じさせて良かったです。

上村たちの会話に興味津々な姿が面白かったです。何秒もないシーンだったけど、雑誌ごしにチラチラ見たり、野次馬根性丸出しの表情を浮かべていたり、絶対に話聞いてますよねって突っ込みたくなるくらい分かりやすい様子に笑ってしまいました。

「ボム、好きだったなあ」っていう一言が何だか妙に刺さってしまった。元気のない相楽へのさりげない労いが滲むところも二人の関係性が伝わってきて良かったし、ボムはいなくなってしまったけど、こんなふうに「男気があって好きだったなあ」なんて愛おしげに思いを寄せられたり、これから先も読者の心に残り続けるんだろうなあって実感できたのも良かったと思います。

相楽のことは何でもお見通しで、遠慮なく言い合える関係性が伝わってくる演技が良い。口調だけではなく、会話のテンポ感や背後から話しかける時の物理的な距離の近さ、良いところのダメなところも分かってるからこそ出てくる呆れたようなため息、二人のやりとりを見てるだけで信頼関係や付き合いの長さが感じられるところがさすがだし、リラックスした空気感も心地が良いです。

何かの犯人とかサイコパスとか、ヤバい役がハマる俳優さんというイメージが強かったのですが、こういう普通に良い人な役も似合うんですね。聞き上手だし情報通だし、皆がお店を訪れて愚痴りたくなるのも分かります。出番は少ないけど、ワンちゃんメインでマンネリになりがちなストーリーの良いアクセントになっていると思います。