ザ・ロイヤルファミリー

冷めた夫婦に見せて実は旦那のことが大好きなんだよね。隠し子がいることが分かっても動じないかと思いきや病室に1人で出向いたり、その後のレースにバッチリ着物で追随したり私が妻よのアピールが可愛らしくもあった。今回耕造が子供達への愛を語るところでじっとその言葉を聞いている姿が良かった。なんて言うのかじっと聞き耳を立て聞いている。普段そんな話はしてこなかったこの夫婦らしいなと思った。

急変した耕造の手を握って「見なさい」「見て」とファミリーのレース見せようとする姿が愛だなってグッときてしまいました。レース後の「面白ったわ」って泣き笑いも、涙で顔がぐちゃぐちゃなのに今までで一番綺麗で良い顔してた。レースシーンが中心だから映る回数は多くはなかったけど、京子なりの耕造への想いが十分伝わってくる印象深い演技だったと思います。

耕造の急変に頭を抱えたり声を震わせたり、動揺が隠せていない姿が印象的でした。突然の引退宣言にも戸惑っていたようだったし、あんなに辞めさせたがっていて夫婦仲も冷め切ってるように見えたけど、いざってなると心が追い付いていかない矛盾というか、気持ちがチグハグなところがすごく人間臭くて良かったです。

不倫相手の病室にさらりと現れてご迷惑をおかけしてと言われても何も問題ないとつっ返す。なんのために来たの？と思うけどそれが女心だよね。自分は正妻だと威張ることもなければ怒ることもしない。それが余計に恐ろしい。その後普段行かない競馬場に思いっきりおめかしして行っちゃうところも可愛いなと思いました。

栗須に耕造が競馬事業を始めたきっかけを話す時の嫌悪に満ちた口調やおぞまし気な表情が印象深かったです。父親への根深い憎悪がそのまま耕造と競馬事業に繋がってるんだなと、何が何でも潰してきそうな執念を改めて感じました。こうやって負の感情を表情にも声音にもそのまま出すし、仕事も相当やり手のようだけど、ガツガツした下品さを感じさせないところも良かったです。

栗須に競馬が大嫌いだと告げるシーン、強調するように張った声音や冷たく棘を感じさせる口調が、京子の競馬に対する強く根深い嫌悪を感じさせました。わざわざ栗須を飲食事業部に引き抜いてまで競馬事業部を潰そうとする執念もなかなかだし、イザーニャの勝利を悟った時の何やら思案するような不穏な表情も、次はどう出てくるんだろうってハラハラさせられて印象に残りました。

「才能がない人ほどそんなもの」と口にする時の呆れと軽蔑が滲んだ表情や冷たい口調、「次の手を考えなさい」と何が何でも競馬事業部の撤退一択な姿勢が、耕造との関係性を物語っていたのが良かったです。夫婦のやりとりがなくても、今夫婦がどんな状態なのか手に取るように分かる。会社云々抜きにしても競馬への嫌悪感もなかなか根深そうで、なぜそこまで毛嫌いするのかとても気になりました。