ザ・トラベルナース （2024）

歩に「後味悪くしたくない」って憎まれ口叩かれてトングで反撃したり、ご飯食べてる時に口元に海苔つけてたり、メインで映っていなくても台詞がなくても、いつでもチャーミングで豪快なたまちゃんでいるところがさすがで、出番は多くないしストーリーにさほど関りがなくても毎回存在感がありました。張り詰めていた緊張がふっと解けるような温かさと安心感漂う雰囲気も良かったです。

最近ではパクにまでお味噌汁の大盛りを断られるなど、登場するたびに料理下手を弄られてるけど、拗ねたり怒ったりせず淡々と「聞こえてるわよ」ってツッコんだり、手慣れた感じでサラリと躱していくところが、たま子の大らかさとナースたちとの馴染みっぷりを感じさせて良かったです。

金谷が描いた八木の似顔絵を見て不吉なオーラを感じ取ってたり、歩や森口の恋愛運もズバズバ占ってたり、言葉にも態度にも迷いがなくて熟練の自信みたいなものが滲み出ていて、「たま子さんの占いは当たる」と事あるごとに言われる説得力があります。金谷に「料理は下手」と言われて後ろから首を絞めたり、歩と静の関係を揶揄ったり、ナースたちとわちゃわちゃ盛り上がってる姿もチャーミングで良かったです。

たまちゃんまでナイチンゲールの格言？！と思ったらまさかのモハメドアリで笑ってしまいました。その後、森口と技を掛け合って盛り上がってるのもノリノリで可愛い。パクと一緒にキムチ作りをするシーンも、手袋をした両手を胸の前に掲げたり、内臓みたいに白菜を手に取ったり、オペシーンのオマージュみたいで面白かったです。

歩の入浴中、何も気にせず浴室に入っていてバンバン柚子を投げつける姿がシュールで笑ってしまいました。上半身裸の歩を見ても全く動じないところも実家のお母さんみたいな感じがあって良かった。慌てて目元を覆う奥ゆかしい愛川との対比も面白かったです。

森口が買ってきてくれたスイーツを大事そうに抱えてたり、怒った森口にスイーツの箱を奪われそうになるとちょっと抵抗してみる姿が小さな子供みたいで笑ってしまいました。台詞がなくても、その表情と仕草だけで「よっぽど食べたかったんだなあ」って伝わってきて可愛らしかったです。久々に占いシーンが見られたのも嬉しかったです。

歩に「自分で作った方が上手いものが食べられる」と嫌味を言われても、「事実だから許しちゃう」ってすぐ返せる器の大きさと大らかさがたまちゃんらしくて素敵でした。仕事があるから立ったままではあるけど、皆と一緒にご飯を食べてお喋りに参加してる姿も温かくて良いなあ。病院のことやストーリーに直接関わってくることはないけど、たまちゃんのこのほんわかした空気感はドラマに必要不可欠だと思います。

たまちゃんという癒しがなければこのドラマの魅力は半減するかもしれない。それほど空気をよくしてくれる大きな存在です。命と向き合うシビアな場面の対極にあるような癒し。今回も歌って踊ってみんなを見守るでっかい母ちゃんでいてください。

続編は出てこないのかなあって思っていたので、再び寮母として登場することになって嬉しかったです。明るい笑顔や豪快な笑い声、実家のお母さんみたいな温かい雰囲気も健在で、「たまちゃん」ってナースたちから慕われる説得力があるのも良かったです。前シリーズでも寮のシーンはドラマの緩衝材みたいな感じだったので、今回も見ていてホッと出来るような、ほのぼのと楽しいやりとりが沢山見られたら良いなと思いました。