海に眠るダイヤモンド

あの日の夜、期待と緊張が入り混じった様子で鉄平を待っている姿が本当に幸せそうで可愛くて、より切なさややりきれなさが際立って感じられたのが良かったです。鉄平がいなくなった後、自分のことよりハルさんのことを気遣うところも、端島しか知らない、一島一家が根付いている朝子らしい。虎さんとの結婚が逃げや慰めではなく、ちゃんと愛していて幸せだったって伝わってくる写真の笑顔も良かったです。

「石炭が出たら必ず」って鉄平と指切りする姿が二人らしくて微笑ましいんだけど、ほのぼのと可愛らしいほど切なさが増して、幸せそうなシーンなのに胸が痛かったです。「石炭が出なければ全員解散」という百合子に「石炭は出る」と即答するシーンも、気休めではなく心からそう信じてると伝わる迷いのなさと強さが感じられて良かったし、百合子との一連のやりとりが鉄平・賢将とそっくり同じなところにもほっこりしました。

鉄平に見せるどの表情もかわいくて恋してるって感じ、その中にまだまだ甘えのような幼さがありこれからの波乱に心配になる。鉄平からお花をもらうところが秘密の儀式みたいでドキドキ、百合子からプロポーズの話を聞いてるのに何も聞いてないとすまし顔するところがかわいかった。

鉄平とこっそり付き合ってる姿が微笑ましくてほっこりする。絶対にプロポーズのくだり聞こえてたよね？って丸分かりの「何も聞いとらん」も可愛い。鉄平が事故に巻き込まれるんじゃないかっていう不安や、帰りが遅くてソワソワ落ち着かない気持ち、無事な姿を見た時の心底ホッとしたような笑顔、浮かぶ表情すべてに鉄平への想いが滲んでいて、触れ合うシーンが少なくてもそこに互いを想い合う確かな愛情があると感じられるところも良かったです。

鉄平に告白されるシーンがすごく可愛かった。照れ臭くて思わず吹き出しちゃう姿も、嬉しくて泣き笑いしてしまう時の笑顔も、子供みたいに目を擦って涙を拭う仕草も、お芝居というより朝子の素を見ているようなリアルさがあってとても良かったです。園芸部の活動に夢中になるキラキラした笑顔や生き生きとした姿も素敵でした。

賢将が後ろにいる工員から文句を言われている時賢将が朝子の方を向いて俺は頭脳労働をしているという場面、朝子はじっと賢将を力強い目で見つめるところがとてもよかった。私は味方だよ分かってるよと強く伝えているような目で賢将は嬉しかったろうな。

好きな人へのいじらしい態度が本当にかわいいです、演技の中にぶりっ子とかわざとらしさが無くて見ているこちらがきゅんとしてしまいます。

「腕章をつけてあげたい」って気持ちが滲み出てるのも、鉄平を見送った後、軽やかな足取りで店に戻って来る姿も、毎朝腕章をつけるという約束を破られてちょっと拗ねてるような表情も、初々しくて本当に可愛らしい。恋してますって顔にも態度にも出ちゃってるけど、それが全然あざとくなくて、素朴で微笑ましいなあって見ているこちらまで頬が緩んでしまうところも良いなと思います。

百合子の母の死を知った時も、百合子の謝罪を受けてわだかまりが解けていくのも、直接の言葉は一切なかったけど、ハッとした眼差しや、弾けるような笑顔、百合子の肩にそっと頭を乗せる姿など、その表情や仕草で朝子の心情の変化がしっかり伝わってきたのがさすがでした。百合子に向ける棘や警戒心のない心からの笑顔が晴れやかでとても可愛かったです。

「ちょとだけ食堂の朝子じゃない人になりたかった」という台詞、グッときました。オーディションを受けた後の生き生きと弾む笑顔がとても素敵だったから余計に刺さる。ずっと「食堂の朝子」として生きてきて、夢とか憧れとか、そういうキラキラしたものを沢山諦めてきたんだろうなあって切なくなりました。鉄平が朝子の初恋相手に気付いた時の2人の雰囲気や反応もとても可愛らしくて微笑ましかったです。

鉄平とリナが揃って店に入って来た時のあからさまに不機嫌になる表情、二人のやりとりをチラチラ気にする視線、鉄平への恋心が全部顔と態度に出てしまっている姿が可愛らしい。嫉妬っていう湿度のあるドロドロした感じではなくて、少女のようなヤキモチって感じなのも、純粋で真っすぐな朝子らしくて良かったです。

細かい演技がとても上手だなと思いました。鉄平が帰ってきたと知った時の笑顔、それが百合子と一緒だと知った時の嬉しさ半減の顔、百合子が鉄平と付き合ってないと知った時の顔、でも鉄平は百合子が好きだったと知った時の顔。どれもこれも感情をストレートに出してくるから分かりやすい。幸せになってほしいと思うキャラが出来上がっていた。

鉄平のお会計をする時にササっと髪の毛を整える姿や、百合子との仲の良さに嫉妬しているような拗ねた口調、百合子と賢将が付き合ってると聞いた時のご機嫌な笑顔、誰がどう見ても鉄平のことが好きって分かってしまう素直さが可愛らしかったです。すっぴんのように薄いメイクやエプロン姿も、島から出たことがないであろう朝子の素朴さを感じさせて良かったと思います。