海のはじまり

海ちゃんがいなくなって騒がしさから日常に戻って改めて水季がもういないことを認識してしまったのだろう。キッチンでの号泣は胸に刺さるものがありました。誰も見ていないキッチンで思い切りなく朱音さんに初めて同情しました。

朱音さんのセリフは鋭いものが多くてそれをどう発すればいいのかすごく悩むところだと思います。夏くんの海ちゃんを優先しますの言葉に異変を感じながらもそうじゃなきゃ困るというセリフ。そっちの都合ばかりを押し付けてきたのは南雲家の方だしね。言葉とは裏腹な顔をしている時深いなと思う。

テレビに出てくる母親はだいたいが寛容で全てを受け入れてくれるような人が多いけれど朱音はそうじゃない。普通に心が狭いし自分に余裕がなければ冷たい態度も取ってしまう。そこがリアルで見ていて苦しくなる時もある。うますぎるって難点かもね。

ねっとりした喋り方には昔から賛否があったと思うけど、夏に対して選択権は夏にあるという言葉をいいながら有無を言わせないような圧を感じる。そして弥生に対しては女としてのマウントが至る所で感じられしんどい。上手いとは思うけど重たすぎてしんどい。

朱音の本心がまだ分からないけど、夏くんが鳩サブレを出してきた時に不意に出た笑顔が素敵だった。その笑顔でみずきのいた思い出を一緒に語る人が欲しかったのかなとか夏くんの中にみずきがいて嬉しいとかそんな感情が伝わってきてほんとの気持ちの扉が開いたように見えた。

悲しみよりも疲れの方が前に出ているなと思いました。それはみずきが長い闘病だったのかなとか、海のことで親戚中から何か言われたのかなとかいろいろ想像できて良かったです。孫の前でも愛情全開じゃないところも生活の一部になっているようでリアルに見えました。