私の夫は冷凍庫に眠っている

冷めたような目つきが怖かったですね。最終回では過去にも殺人を犯していることがわかり、なんだかんだでこの人がいちばん狂気を秘めていて怖いのではと思いました。亮でも奏でもどっちでもいい、といってる時点でどうでもいいんでしょうね。幸せになっていい人なのかどうなんだろうと思ってしまいます。

最終回の狂気的な演技がとても良かったです。大声出してヒステリックなのではなく、あくまで淡々と静かな芝居だから余計に怖い。何を考えているか分からないミステリアスさが興味をそそるし、たまに見せる笑顔や不器用な愛情表現が可愛らしく、本人にそのつもりはなくても魔性のような魅力があって、騙していたのに結局亮も奏も本気で好きになってしまう説得力がありました。ドタバタコメディや素直で良い子の印象が強い女優さんでしたが、こういうダークな役も意外と似合うんだなと思いました。

亮のガーゼを取り換えてあげる時やスープを差し出す時など、他人に優しくしてあげる時に怒ったような表情になったり口調がぶっきらぼうになるところが夏奈の不器用さや愛情表現が苦手な性格が感じられて良かったです。夏奈の過去に何があったのかまだ分からないけれど、それでも感情の読めない淡々とした話し方や警戒しているような探るような視線、ぎこちない仕草で木芽の言う「普通の子と違う」という言葉に説得力を持たせているところも上手いと思います。

亮から真実を聞き「また二人で暮らそう」と言われた時の表情がとても印象に残りました。いつもの強張って凍りついたような表情が、徐々に溶けていくような、泣きそうで愛しそうな顔に変わっていって、亮のことが本当に好きだったんだなって初めて夏奈の人間らしい感情が見えた気がしてグッときました。普通とは違う子と言われている通り、感情がイマイチ読みにくい子だし淡々として見えるけど、やってることは登場人物の誰よりも猟奇的で短絡的で、そのアンバランスな雰囲気も怖さやミステリアスさが増して良いと思います。

いつもより低めの声で口調もぶっきらぼう、笑顔もなくて人間らしい体温を感じない雰囲気が良いと思います。日々を極限状態で過ごしているのがよく伝わってきます。目を大きく見開いて亮を凝視したり、ハッと息を飲んだり、チラっと横目で様子を窺ったり、台詞は少なくても目の動きや呼吸で夏奈の緊迫感や不安、恐れが感じられるところも良かったです。

ビニールを着てハンバーグを作るシーン、狂気じみていて良かったです。淡々と調理する姿が夏奈の心の闇を感じさせましたが、亮が食べるところを想像して嘔吐したり、空になったお弁当箱を見て顔が強張ったり、完全に心が壊れているわけではなくて人間らしい感情もちゃんとある、その不安定さが表情や目の動きで伝わってくるところが上手いと思いました。夕食シーンの緊迫した演技、見ているこちらも息が苦しくなるくらいドキドキしました。

元気はつらつ健康的なユイカちゃんがこの人なの？って初めはびっくりした。精神的に難しい役だからか殺した旦那よりも幽霊みたいでびっくり。すさむってこういうことだろうね。いつも誰かに怯えて育つとこうなるのか。なんだかかわいそうだった。

明るくて朗らかな印象のある方なので、こういう陰を感じる役は新鮮ですね。淡々としたナレーションや「埋めなきゃ」と無表情で他人事のように呟く姿が怖くて不気味で、一気に物語に引き込まれました。母親との複雑そうな関係や何か闇を抱えているんだなという雰囲気が、暗く沈んだ表情や伏し目がちな目線から伝わってくるところも良かったと思います。

淡々としている様子や立ち居振る舞いが知的で、真剣な顔をしている時が多いので、内容を一層際立てている。
とにかくめっちゃ怖いし、きれいな顔が恐怖に歪むのがさらに恐怖心を煽ってきます。
発声が非常にきれいなのでセリフが聞き取りやすい。

王様のブランチでMCをしていた時のかわいい印象があったので、今回の役柄を見て違う人かと思いました。ちょっと老けたのもありますかね。夫の暴力から逃げるために殺して冷凍庫に埋めるというところは猟奇的を感じますがそれ以前にどこか闇を感じる人です。

セクシーなシーンはNGのようで、そのために冒頭がちょっとわかりづらかった気がします。同棲しているのに触られるのが嫌なポイントが、何かのトラウマなのか、相手への不審なのか、伝わってこなくて残念でした。本当に夏奈は亮と結婚しようとしていたのかな？とか。