相続探偵

わざわざ灰江のために事務所までやってきて訴状の添削をしてあげるところが格好良かったです。その格好良さで終わらせておけば良いのに、令子の「肝っ玉が小さい」発言を根に持っていたり、拗ねてるかと思いきや令子に笑顔を向けらるとすぐデレっとしちゃうチョロさは健在だったり、コミカルな三枚目っぷりを覗かせるところも福士らしかったです。法廷シーンでの誰だか全く分からない変装も面白かったです。

地鶏と灰江と令子の板挟みになって一人悶々として葛藤する姿が、胃が痛そうで気の毒なんだけどコミカルさ全開の巧みな演技が面白くて見応えがありました。令子の退職届で「肝っ玉の小さい男」呼ばわりされた時の情けない顔もチャーミングで良かったです。

令子の頼みとはいえ、宿敵の灰江のために警察署まで足を運んでくれたり、ハゲタカが記事を出さないよう頼んでいたことを教えにきたり、何だかんだ力になってくれる姿がただプライドが高くて嫌味なだけではない、福士の人の良さや情を感じさせました。令子に話しかけられた時に足をピタッと揃えて口調もちょっとしおらしくよそ行きに変わる姿も、灰江と話してる時とのギャップが凄くて面白かったです。

令子の顔を見た途端パッと表情が明るくなったり声のトーンが高くなったり、あからさまにテンションが高くなる姿が、素直で分かりやすい福士の意外な一面を感じさせて良かったです。トレーニング中、令子の顔がグッと近づくたびにソワソワしたりデレデレしてるのも中学生男子みたいで可愛らしかったです。

ベンチプレスで80㎏挙げられて令子とハイタッチをして大喜びしたり、その後もVIP会員になってすっかりトレーナーとしての令子を信頼して仲良くなってたり、ニコニコ嬉しそうな笑顔が普段の嫌味たっぷりな表情とギャップがあって面白かったです。連絡先交換のくだりも素っぽい笑いと反応がチャーミングで親近感が湧きました。

胡散臭そうに見ていたのに自分のトレーナーになってしっかり結果が出ると令子への信頼が増してにこにこしちゃうところがいかにも現金で面白い。難しそうな顔しているけど結構ちょろいのかもと別の一面が見られて面白かったです。

灰江に対する嫌味な口調や分かりやすく敵意を剥き出しにした態度が、主人公のライバル役らしさ全開で良かったと思います。主要キャストもゲスト陣も登場人物皆キャラが濃いから、これくらいクドく演じて丁度良い気がする。灰江に飄々と躱されていて、いちいち絡む割にあんまり相手にされてない残念さも人間味があって良かったです。