クイーン・メアリー 愛と欲望の王宮 ‐決断‐

特別イケメンでもないし髪型も微妙だし身長も低めだし、最初はどうしてこの人が２人の女王に愛されるのか理解出来なかったのですが、大人の男性の落ち着きと賢そうな受け答え、正義感が強く誠実そうな眼差しなど、回を増すごとに魅力が増していき、孤独な女王にとって頼りがいのある心の拠り所としての説得力が増していったのが良かったです。ナルシスの復讐に利用されて悲しい結末になってしまいましたが、予想外に喪失感が大きく、いつの間にかドラマに欠かせない人物になっていたのだなと痛感しました。

色々抱える思いはあるけれど、私情に流されずイングランドのために今自分がすべきことをしっかり理解して動く姿がカッコ良いです。ナルシスに「愛し愛されることを認めてやれ」と静かに助言するシーンでは、ローラを失ったナルシスを労わるギデオンなりの思いやりとエリザベスへの深い愛が感じられて胸が熱くなりました。どんな相手に対しても目をそらさず真っすぐ見つめる眼差しが彼の誠実さ、賢さを感じさせるところも魅力的だと思います。

ジェーンを殺そうとするエリザベスを「彼女は何もしていない」と必死で諭す姿がギデオンの正義感の強さと真っ当な人間性を感じさせました。緊急事態でも理性を失わず冷静な判断が下せる彼の賢さも伝わり、とても頼もしかったです。

脚本や演出の影響も大きいと思うのですが、エリザベスに結婚を勧めておきながら彼女の決心を迷わせるような表情や態度を見せる姿がうじうじ女々しくて、大人の男性としてかなりカッコ悪く見えてしまいます。また、メアリーと再会した時の表情に何の感情も見いだせなかったのが残念です。あんなに愛し合って結婚まで夢見た相手なのに、いくら今はエリザベスと愛し合っているからといってあそこまで情を感じさせない演技はいかがなものかと思いました。

エリザベスとは割り切った関係だと言いながら、他の男性と楽しそうに話す彼女を見つめる眼差しに嫉妬が滲んでいたのが印象的でした。友人から唐突に恋愛関係になったのでアガサを失った悲しみを癒したいだけなのかなと思っていましたが、この眼差しを見て本当に女性として彼女を愛しているんだなと感じられました。バスルームでのラブシーンも色気と品があって良かったです。

アガサに天国について聞かれた時のショックを受けたような、ウっと言葉に詰まる何ともいえない表情が見ていて辛く、貰い泣きをしてしまいました。またエリザベスを見つめる眼差しに以前より愛情めいたものを感じるというか、感謝や尊敬だけではない何か特別な思いが込められているような雰囲気を漂わせているところも、視聴者の想像力を刺激してドラマを盛り上げていると思います。

アガサに絵本を読んであげる姿が本当に幸せそうで嬉しそうで、見ていて切なくて涙が出てしまいました。アガサの体調が再び悪化した時もいつもの冷静な姿からは想像出来ないくらい取り乱していて、彼にとって彼女がどれほど大切な存在なのかが伝わりましたし、「アガサがいなければ生きていけない」という台詞に説得力が感じられました。優しい雰囲気で包容力のある俳優さんなので、メアリーを誘惑している時より父としてアガサと一緒にいる姿のほうが似合っているし素敵に見えます。

メアリーを思いながらも愛国心が強くてエリザベスに忠誠を誓ってしっかり働いているところがカッコ良いですし、信頼できる味方がいない孤独なエリザベスにとってどんなに頼もしい存在だろうと魅力的なキャラクターに感じられます。初登場時は男娼のような立ち位置だったので、このところの活躍ぶりは余計に仕事が出来る男ぶりを際立たせていて素敵に見えます。

カッコいい❣️

メアリーとの恋愛シーンはいまいちでしたが、ローラを助けるため奔走する姿は頼もしくカッコ良くみえます。ローラに「メアリー女王に十分な恩義がある」と語る時の眼差しに彼女への深い愛情と感謝、尊敬の念が感じられたのも良かったです。

大人の色気！

エリザベスを誘惑した罪で投獄されていて、今度はメアリーを誘惑するという密命を担っている役どころですが、ルックスに全く魅力が感じられず説得力がありません。好みの問題もありますが、個人的には地位も美貌もある2人のクイーンが何故こんな男に…と思ってしまいます。表情がいつも同じで色気も知性も感じられないし、何でこの人がこんな儲け役にキャスティングされてるのかなと疑問に感じます。