ドクターＸ～外科医・大門未知子～ 第6シリーズ

表情の演技力が乏しい俳優さんだけど、その乏しさが逆に功を奏してる俳優さんだと感じました。
真顔でちょっととぼけたキャラは絶妙です。

最終回、「お前のせいでクビだ」と手術室に入ってくる姿が格好良かったです。ピンチを救いに来たヒーローみたいでした。やっぱり加地先生がいると頼もしさや安心感が格段にアップしますし、未知子に対してはっきりと意見が出来る貴重な存在なので、未知子のスタンドプレイではなく「チームで団結してやっている」感が増すところも良いなと思いました。お馴染みとなった、アドリブなのか台本なのか分からない泥酔演技も面白かったです。

九藤の手術で緊張する未知子に「メスを握れるのは俺たちのおかげだ、ざまあみろ」と突っかかるシーン、言葉は乱暴だけど落ち着きのある淡々とした口調で「俺たちがいるから大丈夫だ」という未知子へのエールに聞こえてちょっとホロっときました。挑発するような言い方も未知子の性格を知り尽くしている加地先生ならではだなと、2人の付き合いの長さと何だかんだ互いに信頼し合ってる腐れ縁を感じてドラマファンとして嬉しくなりました。カンファで原先生を庇う姿も格好良かったです。

他の医師たちがあからさまに目尻を下げて麻里亜に骨抜き状態になる中、表情は引き締まっていて笑顔も見せないのに頼られてデレデレになっているのが伝わってくるところがさすが上手いです。目に力を入れてキリっと気取った表情を作ったり、口元をキュッと結んでニヤけないように頑張る姿がコミカルなんだけど「男って馬鹿だなあ」という可愛らしさもあって良かったです。

加地は大変野心家ですが、勝村さんが演じているからか、どうしても憎めないです。本心では患者を思ういい人の雰囲気が漂ってます。未知子は恋愛話は出てきますが、加地は唯一、未知子とくっつきそうな気がしてます。これからも、出続けてほしいです。

原守と同様、ドクターXシリーズに全て登場していますね（ドラマの中で自分で言ってたのが面白いです）。
「腹腔鏡の魔術師」と呼ばれ、いつの間にか未知子が手術をする時に名パートナーになってます。
スピンオフもあって美味しいな、と思います。

スピンオフのドラマ「ドクターY?外科医・加地秀樹」も有るほど『ドクターX』に貢献していますね（全シリーズ制覇）。
昔は「腹腔鏡手術の魔術師」だったとおもうんですが、いまは「次世代超低侵襲外科治療担当部長・・？」分かりずらいです。
もう「デーモンの助手」であり「第2の相棒（第１は城之内）」でいいのではないでしょうか。

「部長に指図するな！」と海老名先生を一喝するシーンがありましたが、本当に怒っているというより、立場の差を示して優越感を味わいたいだけのような雰囲気があって、加地先生の小者っぽさが出ていたのが良かったです。手術シーンではキリっと真剣な眼差しと無駄のない見事な手さばきで優秀さをしっかり見せてくれて、口だけではない出来る男っぷりがギャップがあって格好良かったです。

加地先生、相変わらず、群れが好きですねぇ～。左遷させられて、可哀想とか思ったけど、偉そうに、回診の群れに入れて良かったわ！金には汚いけど、嫌な奴にもなりきれないという感じが凄く好きです。勝村さんってこういう人なんじゃないかと思ってしまうくらい、違和感が無い演技ですよね。部長になって、威張ってたけど、今度はあなたが病になるんじゃないかと心配だな。

加地先生、大好きです。腕は良いけどお金に汚いという設定みたいですが、それほどしたたかさや厭らしさを感じさせないのは勝村さんの大門に振り回されている時の情けない表情やコミカルな演技のおかげだと思います。ニコラスに「大門を甘くみるな」と忠告する時のいつになく真剣な表情が印象的で、何度も迷惑を被ってきた加地先生ならではの説得力が感じられました。