僕はどこから

玲と対峙するクライマックスの演技が素晴らしかったです。智美を守るため、薫として決着をつけるため、事件を終わらせるため、という決意や、玲とどこか通じるものがある自分を感じながら玲の気持ちを探る複雑な感情が随所から伝わってきて、その気迫に圧倒されました。

繊細でナイーブな青年と言う役柄のため、少しもっさりとしたヘアスタイルでした。ちょっと中島裕翔さんのかっこよさを大分下げてしまうスタイリングだったかなぁと思います。まあそのギャップのおかげで、時たまメガネを外すシーンにドキッとしちゃうんですが。照れた時にメガネを触るちょっとした仕草もめちゃ可愛でした。

特殊能力があるゆえに陰謀に巻き込まれ、命がけの状況の中で頭脳戦に競り勝っていく善の主人公を強い視線でしっかりと表現できているのが流石だと感じます。間宮祥太朗さんとのかけあいも良く、応援したくなる主人公になっているところがとても良いです。

病気の母を抱えて、アルバイトをしながら作家を目指す薫を演じる中島裕翔さんは、アイドル感は全くなく、人の良い弱弱しい青年としか見えません。文字を書き写すことで、その人の考えが分かるという特殊能力も、今のところあまり役に立たないので、優れた人と言う様子は見せていません。でも、しだいに特別な人という感じを出してくれると良いと思っています。

原作をしらないのですが、幸薄い優しい青年があっていてよかったです。高校時代の回想の藤原と絡むシーンはあぁ友情という感じ。僕、友達いないからのセリフが薫の孤独な人生の象徴していてうまいと思いました。幸せに成ってほしいと思わせてくれるので上手だと思います。

ジャニーズらしさゼロ、オーラゼロなのに、なぜか演技に引き込まれるのは、彼の天性かなと感じました。とても優しい青年が、スペックを持っているという超人的さが彼にマッチしていて、とてもよかったです。お母さんに接するときの優しさは魅力的でした。