僕らは奇跡でできている

気に入らない相手に対してはとげがある物の言い方をした矢先に、上の人の意見に対して要潤さんのあの媚びへつらう絶妙な態度の変わり様がとても上手く、とてもひょうきんで面白かったです。やはり、ハンサムなのにどこか欠点のある演技が上手だと感じました。

屈折した感情がうまく出ていた。
人を羨ましく思いつつ、自分が思い通りにいかないために感情がごちゃまぜになり爆発してしまう、その過程の表現が自然だった。
ただのクールなイメージだけでなく、ちょっとクスッと笑える部分もあり、ダメなところも含め人間臭さが出ていてよかった。

たまらず切れてしまった後で、一輝のことをちょくちょく心配している様子、鮫島教授に打ち明けた後も、すぐには一輝に自分をさらせずに少し偉ぶっているところなどが良かったです。「偉そうにもじもじする」という器用な演技でした。

要潤さん、かっこよくて頭もよくて、他から見たら完璧なのに、自分ではマイペースな同僚にコンプレックスを抱いているという焦りがよく伝わってきました。
これが中途半端なイケメンなら、ここまでの哀しさは伝わってこなかったのではないでしょうか。
自分のペースを職場の自由すぎるメンバーに乱されている姿が「かわいそかっこいい」のです。

マイペースで天真爛漫な主人公とは真逆の、まじめで几帳面な性格がよく表現されており、主人公の奔放さがさらに引き立っていると思います。出演されている俳優さん、ドラマのストーリー、ともに個性が強いキャラクターが多いなかで、主ストーリーにはいまのところあまり関わりがないにもかかわらず、印象に残る演技です。

いつも仏頂面で一輝や沼袋たちを見下した態度を見せる准教授の樫野木が、一輝が言っていたボスの交代を教授の鮫島と考えて上手く話が噛み合ったために、念願の教授になれると今までとは違い過ぎる、嬉しそうな満点の笑顔を見せる所に人間味が溢れていたのが素晴らしく感じました。