刑事ルーサー

ジョンに「俺の相棒」と言われた時の驚きと喜びを噛みしめているような表情や、警部昇進を打診された時の目の輝きなど、13話はジャスティンの表情一つ一つがいつも以上に丁寧で繊細に表現されているように感じました。カット割りも普段より多くて嬉しいなと思っていたのですが、死亡フラグだったんですね…。ショック過ぎて声も出ませんでした。誠実でジョンへの忠義心も強くて、でも疑問に感じることや不審に思ったことは正直にぶつける勇気と正義感もあって、絵に描いたような好青年を嫌みなく熱く演じていたと思います。登場人物が次々死んだり、舞台が変わってキャストが入れ替わる中、初回からずっと変わらずジョンの傍にいた唯一の役なので次回からジョンの隣に彼がいないことが信じられないです。

12話はジョンと一緒のシーンが殆どなくて、2人の間に流れる空気感もぎくしゃくしていたのが寂しかったですが、「警部を侮ると怖いぞ」とジョージ達にドヤ顔で忠告したり、事情聴取で「彼と働けて光栄だ」と発言したり、ジョンに素通りされそうになるとサッと表情が曇ったり、エリンたちに協力はしているけど決してジョンを見限っているわけではなく、尊敬する気持ちは変わっていないことが真っすぐ伝わってくる演技が印象に残りました。あと顔が変わったというか、最初の頃と比べると表情が引き締まって大人になり、存在感も増していて、それがジャスティンの警官としての成長を感じさせるところも良かったです。

グレイたちの盗聴を気にして、ジョンが不正な捜査を行わないかソワソワする姿が緊張感たっぷりで観ているこちらもドキドキさせられました。ジョンを殴るシーンや「彼を止めなきゃ」とグレイたちの元に行くシーンでは、罪は正しく裁かれるべきというジャスティンの強い正義感が伝わってきて迫力がありました。ジョンへの失望というよりは、尊敬する彼にこれ以上不正を行って欲しくないという思いの方が勝っているように見えたのもブレないジャスティンらしさが感じられて良かったです。

ジョンにパソコンの履歴を消したのは自分だと告白するシーンで見せた、自己嫌悪やグレイへの罪悪感が入り混じったような複雑な表情と口調がとても良かったです。何か理由があるはずとジョンを信じつつもちゃんと刑事としての正義感もあって、ジョンへの忠誠心に盲目になっているわけではないことが伝わってきました。ジョンとニコラスが対峙するシーンでもジョンの突飛な行動に怪訝な表情をせず、真剣な面持ちで真っすぐモニターを見つめていて、ジョンを理解して信頼していることが感じられて良かったです。

ジョンとの接し方についてグレイにアドバイスしたり、「何かあったらまず僕に相談してこい」と言う姿が同僚として頼もしくて格好良かったです。「ジョンの忠実な部下」というイメージが強いので、こういう兄貴分っぽい新たな一面が垣間見れたのが新鮮でした。ジョンにシンプソンの部屋にいたか確認する時も完璧なポーカーフェイスで目撃者のグレイを守っていて、約束を守る信頼出来る男という印象をより際立たせていたと思います。役柄の良さもありますが、観るたびにジャスティンの好感度がアップする良い演技を見せてくれています。

ジャスティン、大好きなのでキャメロンに拷問されるシーンはかなり辛かったです。ウォーレン・ブラウンの歯を食いしばって必死で耐える姿がめちゃくちゃリアルで、見ているこちらも痛みを感じるくらいの迫真の演技でした。でもただ捕まって苦しんでるだけではなく、キャメロンの「人に注目されたい」という心理をちゃんと読んで話を聞きだしたり、窒息死しそうになっても自力で脱出してジョンの捜査に協力したり、危機に陥っていても刑事として出来ることをやる姿がとても格好良かったです。怒りと恨みが込められたキャメロンへの渾身の一発もスカッとしました。

制服警官に降格させられた事を揶揄された時に「制服を恥だと思ったことはありません」と答えていましたが、毅然とした態度とキリっと引き締まった表情が、負け惜しみではなく心からそう思っているように感じさせたのが良かったです。警察官としての誇りと正義感の強さが伝わってきました。ジョンに新しい部署に誘われた時も嬉しそうな笑顔を浮かべていましたが、事件の捜査に戻れて嬉しいというよりも、ジョンの傍でまた一緒に仕事が出来ることを喜んでいるように見えたのもブレない忠誠心の強さが感じられて良かったです。

ジョンからの電話に機転を利かせてさりげなく情報提供をしたり、辞職覚悟で狙撃隊からジョンを守ったり、忠誠心と正義感が強く、頭の切れる好青年を嫌みなくナチュラルに演じているところが魅力だと思います。今時こんな真っすぐな若者がいるのかってくらい良い奴ですが、全然あざとくないし嘘がない。逃亡中のジョンが心から信頼して連絡するという説得力が感じられるところが良かったです。

ジョンには「婆やか」とからかわれていましたが、心配そうに様子を窺うような表情をしたり、「何か食べます？」と気遣ったり、親身になって労う姿が印象的で、ジョンを慕い尊敬するジャスティンの気持ちがしっかり伝わってきたのが良かったです。デビットボウイ方式で捜査をするジョンを見た時の呆気に取られた表情も良く、ジョンが普通の刑事とは一味違うということを視聴者に改めて実感させる効果があったと思います。

カーステンの遺体が見つかったことを誰にも報告するなとジョンに命じられた時に、毅然と抗議する姿が格好良かったです。憧れの存在だからと遠慮することなく、「それは法に反する」と自分の信念を曲げない姿が若さゆえの真っすぐさと正義感の強さを感じさせ、酸いも甘いも知り尽くしたベテラン刑事のジョンとの違いを際立たせていました。命じられた時の表情に「失望した」という嫌悪感がなく、彼の行動が解せない、何か理由があるはずと思案しているように見えたのも、ジャスティンの素直さや人柄の良さを感じさせて良かったです。

体格の良いジョンと並ぶとちょっと小柄で顔立ちも幼くて、真逆のルックスなのでよく目立ち印象に残ります。捜査するジョンを見つめる時のキラキラした眼差しや「何を考えているんだろう」と彼の頭の中を探ろうとしているような表情がジョンへの憧れの気持ちを感じさせるところも良かったです。