病室で念仏を唱えないでください

役柄だとは思いますが、人間の感情が爆発し、周囲のキャストの方々とぶつかり合う姿に見惚れてしまいました。涙を流しながら諭す姿や、小さい人間だなってクスッと笑ってしまいそうになる、怒りに任せて暴言を吐きまくる姿が面白かったです。

一皮むけることができたと思います。伊藤英明さんはロート製薬の「デ・オウ」CMでは肉体を強調してコミカルでしたが、「白い巨塔」の柳原医師や「弁護士のくず」の武田弁護士といった真面目なキャラクターがぴったしに感じていました。（顔も地味だと思います。）そんな彼が救急医であり僧侶でもある主人公という設定でしたから、放送開始前は医師としての技術と悟りの境地を表現するものと考えておりました。でも、職場ではよく腹を立て、きれいな女性を見れば惑わされるという煩悩出しまくりのキャラクターで登場したので、人間の幅を感じてとても楽しめました。（子どもの頃に友人を溺死させてしまったと悔やむ様子も、人間の幅の一部ですが、ちょっと多すぎるぐらいだったかも。）ドラマ自体はギャグと真面目が満載だったので、消化不良感は否めませんでしたが、ダラーっとした役を伊藤英明さんに演じさせてみたいと思える作品であったことは、間違いないです。

毎回涙なしには見られません。素敵なドラマに出会えたと思ってます。

同じタイミングで、得度して僧籍を頂かれた知人がいたので、通常の仕事をしながら僧侶をするというのは、こういう感じになるのかな～と見てました。仏の教えが仕事の現場で生かされつつ、世に広めながら自身も学び続ける。簡単なことではないのに、やっていける人としての強さや広さ、そしてその深さを面白いキャラの中に表現した伊藤英明さんに、感銘！！そして天晴れ！！

伊藤英明さんの演技はいつも汗のにおいがプンプン感じられて、嫌でした。「ただただ熱い」だけで、気持ちが伝わらない感じがうんざりします。でも、今回はそういうところを逆手に取ったというか「ウザくて熱い」人物の役なので、ぴったり合っていますね。配役がうまいと思います。

ミスキャストだったと思います。
もう少し若い役者さんだと、あの熱血ぶりを見ていられますが、同世代の人であんな熱血な人がいたら逆に引いてしまう…。
キャラクターに役者があってなかったような…。坊主頭も絶壁な後頭部がちょっと見てられなかった。

歳を取ったなぁという印象で、昔の少しとんがった様なシャープなイメージや演技もなくなってしまった感じです。ちゃんとした指導者の下に練習しているのでしょうが、あまりにもお経が下手くそすぎる！！私も般若心経は暗記しているけれど、変な所で伸ばしたり、役からして今後も何度も唱えるののでしょうから、残念な感じです。

医療系ドラマが多い今回の冬ドラですが、「病室で念仏を」は伊藤さんのりりしい尊いお坊さん姿で抜きんでています。短髪の袈裟姿が本当に素敵です。お医者様としてもお坊さんとしてもまっすぐな人柄が出ていて、人生相談したくなりますね。病室にお坊さんは不吉な気もしないでもないですが。

お坊さん姿もドクター姿もそれなりに良い感じ。念仏を唱えてる声もお腹から声をだしてる感じで悪くないし。僧侶で医師というのは、ある意味突拍子もない感じもするけど、こういうドクターがいても悪くない。暴れる患者に向かって念仏を唱えるシーンでは、笑うところじゃないし笑っちゃいけないのかもしれないけれど、クスっと笑ってしまった。真面目が過ぎるとユーモラスになるという感じ？

伊藤英明をドラマで久しぶりに観た気分ですが、何かを考える姿や所作は彼独特のもので素晴らしい俳優が帰ってきたと思いました。伊藤英明が医療ドラマに出るのは救命救急24時以来だとおもうのですが、いい味の役柄です。

熱い演技が『海猿』を彷彿とさせ、このドラマの設定に入り込めない感じがします。海上レスキューと救命医というのも重なりが大きいためだと思われます。キャラクターとしても僧侶としての深みがあまり感じられず残念です。