監査役 野崎修平

最終回、合併からの離脱を宣言する時の圧倒的なヒーロー感がさすがだと思いました。よく通る良い声と真っ直ぐで誠実そうな眼差しが「この人についていきたい」と思わせてくれるカリスマ性を感じさせます。京極を倒すために色々と策を練りますが、根回しの接待などをしても全然小賢しさがなくて爽やかに見えるところも織田さんの持ち味で良いと思います。

7話の武田とのシーンがとても印象に残りました。今までとは違う鋭い目つきや緊張感のある引き締まった表情、低く落ち着いた声から「京極を引きずり下ろす」という野崎の強い覚悟と京極に対する怒りが伝わり、観ている私も身が引き締まる気がしました。

こんな正義感の塊りみたいな人実際にはいないよなあと思うんですが、熱いイメージがある織田さんが演じると妙に説得力があります。6話の株主総会のシーンでは、見開いた目や引き締まった口元、搾り出すような、でも一言一言はっきりとした台詞まわしから、野崎の極度の緊張と強い精神力が感じられました。観ている私のほうが疲れてフラフラになりそうなくらい凄い演技だったと思います。

5話で京極に辞任するよう訴えるシーンが印象的でした。血走った目、固く握られた拳、一言一言噛み締めるように発する台詞から野崎の緊張感と強い覚悟が感じられました。古谷さんに負けない迫力のある芝居と存在感が良かったです。

見ていて疲れてしまうくらい実直で熱いキャラクターですが、織田さんのイメージに合っていますし織田さんだから成り立つ役かなとも思います。この真っ直ぐさは他の人が演じると空気が読めなくて融通が利かないバカ男に見えてしまいそうですが、織田さんの強い信念と正義感溢れる演技のおかげで野崎がちゃんと魅力的な主役に見えていると思います。

織田さんはこういう真っ直ぐで熱い役が本当に似合いますね。48歳という設定のわりに随分青臭いことを言う主人公ですが、織田さんが演じると野崎の芯の強さとあおぞら銀行への強い愛情が感じられます。1話で宇梶さんと対峙した時の表情がとても良く、殺されるかもしれないという恐怖で硬直した表情にリアリティがあり、緊迫感と野崎の監査役としての覚悟が伝わってきました。