竜の道 二つの顔の復讐者

ただ黙って画面に映っていると、天然で「裏切り者」感がある。裏切ったら「やっぱり！」で裏切らなかったら「なんだ、いい奴だったやん！」ある意味では最強の脇役。竜一を見る糸目が、羨望なのか嫉妬なのか憧れなのか崇拝なのか、分からないあたりがいい！

復讐の秘密を知っている唯一の人物なので、裏切り行為をするかと思いきやそんなことなく、ちょっとがっかりした気持ちとほっとした気持ちです。最後まで社長についていったんですね。社長室でお鍋しようとしたり、シリアスなドラマの中で少し笑える存在でした。

当初は何か、竜一たちの復讐のキーパーソンにもなりそうな描かれ方だったから、ウザさを感じながらも何をやらかすのかと期待してたけど、結局この人はただの賑やかしだったことに拍子抜け。どこまで本気で言ってるのか、笑えない冗談を言うもののいつも上滑りした感じだったし、最後の最後にブラジル行のチケット取ったとか、彼一人やることがズレすぎててとにかくガッカリさせられた人物。

今野浩喜さんには独特の空気感がありますよね。芸人さんはドラマに出演することが最近増えてきましたが、やはりスベッている感じがあります。しかし今野浩喜さんはドラマに溶け込むのが本当に上手だと思います。なぜか鍋を作っているちょっとしたシーンでも妙に説得力が出せるのが今野浩喜ならではですね。

前の会社では、社長に古い義理を感じてどんな理不尽にも耐え、会社に尽くしてる苦労人というイメージだったけど、最近はたんなるお調子者という感じでひたすら鬱陶しい。
キリシマの取締役の身辺調査をさせても、ツメが甘いから間違った情報を報告したりと、いい加減だし。
この人が結局、二人の復讐の足をひっぱるんじゃないかな。

何を考えているのか分からない感じがいい。ドキドキする場面の連続の中少し笑える。

昔助けてくれた友人にいつまでも恩義を感じて尽くすとは、なんとも律義な人、という印象だったのに、実はものすごく腹黒いヤツなの？　もし本当に何か企んでるなら、地味なルックスだけに余計に狡猾さが際立つ感じ。今は竜一の脅しが利いてそうだけど、いつ何時裏切るかわからないような地雷みたいな存在ですね。