執事 西園寺の名推理2

被害者の娘に事件当日の事情を聴く時の気が進まなそうな表情や、質問する時の穏やかで控え目な口調が遺族の気持ちを慮る丸山の優しい人柄を感じさせて印象に残りました。柿崎を逮捕した時の「礼は言わないからな」という憎まれ口にも棘がなくて、守屋の名誉を回復出来た感謝の気持ちが伝わってきたのが良かったと思います。

謎解きシーンで喋り方や声のボリュームまで西園寺そっくりになってしまうところが丸山の素直な一面が滲み出ていてチャーミングでした。醤油と口走ってしまった時の誤魔化し方などは佐藤さん独特のコミカルな演技でクスッと笑わせてくれ、久しぶりに現場にいる丸山の活躍を堪能出来て面白かったです。

佐藤二朗さんのコミカル満点な演技は、事件捜査でシリアスな部分と明るさも兼ね備えていて、上川隆也さん演じる執事を見事にサポートしている刑事役をうまく表現しています。
一見、仲が悪いように見えますが、お互いに信頼し合っているように思い、私も毎回、気分よく楽しく見ることができます。

使いパシリかそう言いながらも何かをしようとしている。男気のある人だ。完全に西園寺さんのペースに事が運んでいる。頭と体で計画的に事件を解決に導くのに対し彼の場合は直ぐに行動に出る。「お前の執事じゃねぇ」と言いつつも、方向性が同じだから。二人がモールス信号を使ってのやり取りは手際よく迅速だ。西園寺さんの口から信頼という言葉が2度出た。まんざらでもない顔だ。二人とも確認するようにいい顔だった。それにしてもボーイスカウトとは以外だった。なるほどね…。

シーズン2になってから西園寺と一緒に捜査するシーンが減ってしまい残念なのですが、それでも存在感は抜群で登場するだけで場面が引き締まります。西園寺に「信頼出来るのは丸山様だけ」と言われた時の満更でも無さそうな表情や、「今回は大目にみてやるよ」という投げやりな口調が照れ隠しっぽくてチャーミングですし、2人の関係性が前シリーズより丸くなっているように感じられるのもシリーズファンとして嬉しいです。

どのドラマに出ていても特に笑顔もなく常に無表情で、淡々と演技されているのが印象的です。特に主人公に対して親身になるというわけではないのですが、結果的に頼まれれば断れない感じが物語を後ろから支えている縁の下の力持ち感があり、何とも言えない味わい深さがあります。名脇役とはこの方の事を指すのでしょう。

西園寺への口調や態度が前シリーズより棘が無くなったというか、渋々認めてる感が薄まってより信頼感が強まったように見えたのが印象的でした。何でも出来る西園寺に感心するというよりも「何者だ？」とちょっと呆れてるところも西園寺の超人ぶりが際立って良いと思います。