西郷どん

存在感が思ったより無い方なんですね。

すっとんきょうな顔をしてよく通る大きな声でアハハと笑っている、いつも同じような印象をもってしまいます。大家族で明るくすごせているのもこの父がいるからかとも思いますが人がよさそうな感じのままだったかなと新しい一面が見れなくて残念です。

7話で吉之助に「嫁を貰ってくれ」と頼むシーンが印象的でした。いつものダメ親父な雰囲気が一切無く、真っ直ぐ吉之助を見据えて真剣な表情で頼む様子から満佐への深い愛が伝わりましたし、それだけ満佐の病状が思わしくないのかなという不安も掻き立てられました。まさか満佐より先に亡くなるとは思わず、突然の死はかなりショックでした。あのチャーミングなダメ親父っぷりが観られないのは残念です。

4話は吉兵衛の人間的な魅力が感じられる場面が多く、風間さんの熱演を堪能出来たのが嬉しかったです。次右衛門と相撲をとるシーンでは、湿っぽくならずに明るく送り出そうという思いやりや「あとは任せておけ」という頼もしさや2人の強い絆が感じられましたし、赤山の切腹で取り乱す吉之助を｢我慢じゃ」と必死で説得するシーンでは無念さや恩師を失った吉之助を思う父親の愛情が伝わってきました。

風間杜夫さんからは、薩摩藩の下級武士で大所帯西郷家の大黒柱の西郷吉兵衛の感じを想像できます。家は貧乏でも薩摩武士のほこりだけは捨てない意地が伝わってきます。また不思議と近所にいそうなおじさんのようにも見えます。

大酒飲みのダメ親父っぷりがよく似合っています。ダメダメだけど何故か憎めない人の良さが感じられる雰囲気があるのも良いですね。吉之助と子供みたいに言い合いをしたり、借りたお金を宝物みたいに大事にそーっと持ち帰ったり、表情や仕草一つ一つがお茶目でチャーミングなところも魅力的だと思います。