天久鷹央の推理カルテ

まぁあんなに強い磁力を発生させるのは大変だから早々同じようなことはないと思うけど、ペースメーカーを入れている人って結構な数がいるのだからもう少し注意喚起があっても良かったと思う。うちにも家族にいるがなかなかナーバスな問題で気にする人はいるからね。ただ部屋を作る時からいつかこれを使う日が来るかもしれないと仕掛けを作っていたのにはちょっとだけ笑った。兄弟喧嘩もここまで来ると笑うしかない。親が泣くだろうね。

サヴァンとか、天才とか、シリアルキラーとか、フィクションの世界で便利に使われすぎるキーワードがいくつかあるけど、天才VS天才もそのひとつ。でもいざふたを開けてみると、なるほど常人離れしているというケースはほぼない。

今回もそのケースで医療機器を使ったトリックの典型パターンだし、あんなに悩むほどの謎ではない。また副院長を出し抜くのにわざわざこんな病院の名も貶める方法とかを使わなくても、「天才」なら思いつく方法はあったはず。特に恩師であり、ある種のライバルと考えていた鷹央に、こうあって欲しいというメッセージのある死を残す方がよかったと思う。

女性としての若菜が好きで付き合って結婚まで考えるようになる仲なのに体の違いに気が付かなかったってことはもう若菜は女性なのだと思う。中身が違っていても不都合がないのならば別にカミングアウトされたって若菜は若菜なのにどうしてあんなに毛嫌いされたのかが謎。騙されてたって怒ったのかな？これからヒゲが生えるわけでもあるまいし看護師なのに知識がなさすぎるし過剰反応しすぎ。頭部を打ちつけたところで救急車を呼んでおけば助かったのに、看護師とは思えない反応でびっくり。

鷹央はちゃんと人の気持ちがわかってきている。自分が解決せず、小鳥遊に任せたのは人の機微がわからないと難しいからね。

今回はいわゆる半陰陽、両性具有、アンドロギュヌスとか呼ばれるもの。肉体と精神性の乖離ということでは、LGBTQと同じだけど、よりややこしい。でも結局、答えは小鳥遊のいう通りで、大事なことは「自認する性」ってことなんだよね。

男女という区別が当たり前だというのは思い込みで、自然界の生物なんて性が曖昧なものとか、途中で変わるものもいる。少なくとも明解な区別が自然の摂理だというのは間違いだ。

もちろん、その上で好き嫌いとか、寛容不寛容があるのは仕方がない。だからこれは単純に失恋だと割り切れなかったことが、犯人の失敗なのかな。

悪ガキ三人の企みは退院したくないからってところまでは予想できたんだよなー。退院して普通の生活に戻るといじめられる方だったりするのかな、ここにいてわがまま放題の方が気が楽で楽しいって理由かと思った。そしたら案外いい子の理由でびっくり。でも自分が心停止してでもやり遂げたいことなのかというと微妙。そのアンバランスさが子供らしいところなのかな？死ぬことを真剣に考える立場の子同士だからこその慰めだったのが深いと思った。

鷹央は他人の心がわからないというけれど、健太に対する拒否も歩み寄りも、それは彼を思うからこそであって、他人の心を考えてはいる。やり方が下手だとしてもね。彼女は他人の心がわからないのではなく、わかりたくない、ないしわかろうとしたくないんだよ。

まあ、そもそも論になってしまうけど、実際のところ鷹央に限らず、他人の心なんてわかるわけがない。みんな、わかった気になったり、一方的に解釈を押し付けているだけ。だから理解の真実は相手の許容とか寛容さの結果だ。つまりこの感動的な内容のすべては健太のパーソナリティに負っている。

結局、健太がよい子だったということだね。

手の込んだ密室殺人、トリックは面白かったです。ちゃんとアナフラキシーが起こるように手に傷をつけるとか症状を抑える薬を隠しておくとかすごく細かくできていたと思います。まぁそれも机上の空論ではありますがね。ただ薬物で幻想を見た時に一緒に嘘をついてくれた同僚を殺すに至る心理はちょっと分からなかった。それが薬の怖さだと思うけど、窒息という1番苦しい方法で殺すって残酷だよね。病院としては医師を2人もなくしてしまう、なんとも残念な結末だった。

麻酔科医に指摘されるまでもなく、麻酔から覚めてすぐの真鶴があんな正確に殺人を行うなとナンセンスなわけで、この警察は無能と言われても仕方がない。それに正確には密室じやないしね。

アナフィラキシーだけど医者じゃないからはっきりとしたことはわからないものの、私もある食べ物でなったことがあって、急にのどが詰まるような違和感があり、息がしづらくなった。意識も朦朧としたけど、少量だったので無事だった。個人差はあるんだろうけど、あれだけ短時間で死に至るだけの量となると無理があるようにも思える。まあそこはケースバイケースなんだとしても、だからこそ確実な殺害方法だったかどうかは首をひねる。

気道確保のために自らの喉を切るというのも、医者なら頸動脈を避けて、横にではなく縦に切るんじゃないかな。

不可解すぎる。手術直後の患者がどうやって人を殺すと言うのか。まずいろんな機会に繋がれているはずだし動けません。そんなこともわからず容疑をかけるってどうかしてる。誰かが手術室に入ってきて真鶴のすぐそばで医師を殺し、返り血を浴びた真鶴の手に凶器を持たせて立ち去ったんじゃないの？ナースとかスタッフを疑うのが普通でしょ。しかもこのトリックは週またぎなんだよね。ある1話完結で終わってくれる方がスッキリしていいんだけどなー。

手術後に医師と患者を残し、器具出しの看護師もメスをそのままにして、手術室を出るなんてことはありえないし、真鶴の方も全身麻酔から覚めた直後にあれだけ明確な行動や記憶をしているとは思えないなど、首を傾げるところは多々あるけどまあいいでしょう。

またあれは密室ではないです。映像記録が画角に入ってないだけで、内鍵がかかっていたわけではないし、誰も入れなかったと証明はできません。

筋弛緩剤は真鶴の殺害というより助けるためだったと思うんだけどね。

水神様の祟り、面白かったです。水神様なんて馬鹿らしいともう手入れもしなくなったってすごい度胸だよね。それでも娘がおかしくなったら水神様のせいだと思うのだから奥さんも心の中では相当恐れていたんだよね。皮膚に掴まれたような手の跡が付いたり陸にいるのに溺れたり、怪奇現象とも取れる事例がスパッと科学的に解明されていくところがとても面白かった。その説に無理がないのが良かったよね。タカオの笑顔の秘密も知れてすっきりです。

ハマってしまった。主演があまり好きではないのでパスするつもりだったけど見てみたら面白い。今クールでは「しあわせは食べて寝て待て」とこれがお気に入り。1時間があっという間です。もっとハチャメチャガチャガチャにやりまくってほしい。さっぱり賢そうに見えない鷹央が偉そうに解説するところとかツボる。この先もスカスカの内容で振り回してほしい。

自己免疫疾患の病気の多くは、よくわかんない全身症状が出る。身内にそういう人がいるなら、素人でも祟りなんてものじゃなくて、自己免疫疾患を疑うよね。

なのに医者が精神的なものだと判断してしまうのは首を傾げますね。もちろんどんなスーパードクターでも、患者側が迷信に惑わされ、正確に状況を伝えないことがもっと問題なのだけど。

それにしても芝居が下手。祝日でたまたま一緒に見た妻が「これ学芸会?」と辛辣な言葉を吐いていたけど、こういうドラマを見るとドラマの主流が某配信系に移っている理由がわかるかな。

面白い。正直全然期待していなかったのだけどなかなか楽しい。統括診断部の存続以外は変な伏線はなく、めんどくさい腹の探り合いもなくコミカルで不通に楽しめる。細かい理屈や熱い情熱や人生の悲哀、気持ちのすれ違いなどを扱うものが多いのだけど、こういう単純なものは安心して見れる。鷹央と小鳥の掛け合いも徐々にいい感じになってきて、先が楽しみ。

型破りの天才も親の病院だから働けるわけでそれがなくなったらよほど奇特な人がいない限り雇われることはないだろう。バカとハサミは使いようと言われるように型破りな天才もまた使いようなのだろう。さて患者だが、あんなに太っていれば糖尿病を心配するのは当然で少しでも控えてほしいというのは家族なら当然の感情だ。中年男性なら仕事のストレスも相まって怒りやすくなる人もいるしなかなか家族では気づけない。天才に出会えないと診断されないのは怖いなー。

最初に言っておきたいのは原作は面白い。もちろんドラマは別物なのだけど、原作を知っている以上、比べてしまうのも仕方がない。ということでちょっとこのドラマは残念。

ある意味で天久鷹央というキャラものだからね。どうしてもそれを演じる橋本環奈さんに焦点が向く。そしていつになったら芝居が上手くなるのだろうと思ってしまう。まだ拙い若手を見守るのは大事だから、あまり批判的に見ないようにしていたけど、さすがにそろそろ少しは上手くなって欲しい。

セリフの強弱は声の大小ではない。動きもオチがあるドリフターズのコントならそれでいいが、別にオチを求めているわけではないので、これで良しとする演出家に首をかしげる。