エンジェルフライト

片親で育てる苦労を知っているから塔子の気持ちも分かる、だけど複雑な親子関係に凛子に寄り添う気持ちもある。いつもなら怒鳴り散らして自分の考えを押し付けるようなところも優しさがあった。単細胞じゃないんだなと思えて良かった。

那美の強さはどこか意固地で、本当の強さというよりも、認めたくないものを拒絶するような感じががある。それは生死が不明な元彼について、死んだと決めつけるのを拒否している姿と重なります。つまり強いように見えるけど、実際は脆さを隠しているという方が正しいのだと思います。

米倉さんの芝居は大胆かつ強烈ですが、しっかりと負の部分も見えてくる。光と影が伝わるベテランらしい好演だなと感じます。

泣き女のお芝居がうまくて笑った。本場の人にうるさいと言われるくらいの熱演が後に出てくる空港職員とのやり取りに使われるのも面白いと思った。ご遺体を日本に返そうと奔走するところは掛け値なく亡くなった人への気持ちとして表れていた。

ご遺族や故人様に対してすごく真摯で強く優しく寄り添っているところはすごく尊敬するし尊いと思うけど、裏方に回った時にすごく言葉が強くて怒鳴り散らしているように見えるのが不快。何かの拍子にご遺族に見られてしまうのではないかとヒヤヒヤしてしまった。

初回からがんがん飛ばして自分世界へ引っ張っていく強さがありどんどん物語へ引き込まれていきました。強さの裏に真摯な思いがありまた触れられない脆い過去が見えて、もっともっと知りたくなる人物像を作ってくれています。