だが、情熱はある

ちょっと奥歯を噛みしめてセリフを言うあたりが山ちゃんの悔しがりを表しているなと思いました。なんか捻くれたことを言わなきゃ気が済まない、どうにか相手にダメージを与えたいって気持ちが出過ぎちゃってるのが逆に面白いです。

自分もボケをやりたいと言いつつ定食屋でも突っ込んじゃうシーンは山里さんそのものでしたね。突っ込むテンポや間、言葉のイントネーションまでそっくりで目を閉じて聞いたら山ちゃんですよ。自宅での机にかじりつく姿勢が後ろから見ていてもストイックさを感じさせます。

少し力みすぎてストーカーのようになったかなと思いましが、この人を逃してなるものか！という意気込みのようなものは十分伝わったと思います。それだけしずちゃんへの思いが強かったのですね。勢いが良すぎて誘われたしずちゃんが告白かと思ったと思うのも納得でした。

相方ができてはものすごく追い込んでしまう山ちゃん。なんだかほんとにこうだったんだろうなと思わせるリアリティがさすがだと思います。確かにあれだと相方は逃げ出すでしょうね。お笑いに向けた真剣度が違うから仕方ないように見えました。妬み嫉みはまだ控えめですね。

若林さんのターンより若干軽めでモテたいって気持ちが動機のような山里さんのちょっと浮ついたところが出でいるのが上手いなと思います。目の前の女の子にフラフラいっちゃったり、先輩の言葉で奮起したり、分かりやすい人の良さ流されやすさが出ていると思います。

若林さんを演じている高橋くんは模写って感じだけど、山里さんを演じている森本さんは似せようとするよりもその内面の方をよく考えているのかなと思いました。どちらがいいとかじゃなくてどちらのアプローチも良く、それこそ内面から溢れる情熱に胸が熱くなりました。