だが、情熱はある

ベッドの上で具合も悪いだろうに孫が来るとまるで恋人が来たかのように血色も良くなり嬉しそうに笑う。なんだか自分の祖母を思い出しました。若林さんがかわいくてかわいくて仕方ないって顔するんですよね。その愛情が伝わるのか若林さんも甘えた声になる。そんな2人が好きでした。

孫の恋人がうちに来る時にシュチュエーションコントのようにファミレスのウェイトレスさんをやり切っているところがものすごくかわいくて面白かった。いつも自分で面白さを見つけられる人なんだと思います。孫とのやりとりにほっこりします。

黒ひげ危機一発でただ遊んでいるだけに見せて孫へ話しかけるところが家族だなーと思いました。年頃になると面と向かっての助言など聞いてくれないけれど、その心を溶かすようにあえて目を合わすことなく何気ない会話の中で少しずつ心にひっかかるワードを言う。なんだかジーンとしました。

息子である若林のお父さんのことを呆れるというほど他人行儀でもなく、諦めるというほど見捨ててはいない。ダメなやつだと思っているけど、我が子として最後の根っこの部分では信じているところが母親だなと思います。あそこまで大きくなった息子は簡単には矯正できないですからね。

登場シーンもセリフも少ないですが存在感があり喋り出すとおばあちゃん独特の世界が広がって引き込まれます。食卓のシーンで自分の息子でもある一家の主人が傍若無人に振る舞うところを叱るやり方ではなく制してしまうのは年の功でしょうか。すごく良かったです。