警部補ダイマジン

牡丹の殺害現場に向かう台場を必死で止めるシーンが、見ているこちらも胸が痛くなるほど辛そうで印象に残りました。興奮した台場を力いっぱい抑える姿や悲痛な表情で「鑑識の作業が終わっていませんから」と訴える大きな声、短いやりとりの中でも、見知った顔が無残に殺された悲しさや悔しさがひしひしと伝わってきてとても良かったと思います。

間一髪のところで杉田を確保して逮捕するシーン、迫力あって格好良かったです。取り調べでも机を叩いたり怒鳴ったり、口調も乱暴で、若いのに昔気質の刑事みたいなところがあるのも意外で、敵が多い特命班だけど、こういうしっかりした正義感があって話が通じる人が協力してくれると頼もしくて心強いだろうなと思いました。

ダークでアクの強い登場人物が多い中、まともな感性を持った普通の刑事という雰囲気にホッとします。現場の状況や事件について説明する時の神妙な顔も、死者に対する悼みのようなものが感じられたし、平安がやって来た時の指先までしっかり伸ばした挨拶や場所を譲る時のキビキビした動きも、警察組織の縦社会に順応している様子が伝わってきて良かったと思います。