Ｄ＆Ｄ 〜医者と刑事の捜査線〜

悪いのは患者の状態や既往症をちゃんと確認しないで投薬した医師でしょ？なぜそれが働かせすぎにつながるのか。働かせすぎは慢性的な問題ではあったけど、それが元で今回の医療ミスが起きたわけではない。犯人は犯人としてきちんと処罰されて、他に病院として対処できることは働きすぎの対策と投薬ミスの対策だろう。途中まで物語に引き込まれたのに、すっとばしすぎの結論にびっくりしてしまった。労働環境を整えてくれるのは嬉しいけど、それとこれとは違うよね。

今どきはってこともないけれど、恋愛感情を持ってくれるのは異性だけとは限らないからね。まぁ犯人のそれが恋愛感情と呼べるかと言えば難しいけれどどこで執着されちゃうか分からないのはとても怖いと思った。自分のそばにいてくれないならと危害を与える人も一定数いるしね。しかも最初から自分のことを気に入ってくれて付きまとうというよりこの場合は身代わりなのが辛い。自分じゃない誰かを投影されつつ憧れられて婚約者を殺される‥どんな不幸だよ。

家が安全地帯ではない子っていうのは普通の子の何倍も危ない目に合う確率が高くなるし苦労も多いんだなと悲しくなる。結果こっそり見守ってきた母親に守られたってことになったけど、本人としたらだったらもっと早くから違う人生を一緒に歩んでくれたらよかったの！と思うかもしれない。そこに妊娠を絡めるのはしなくて良かったかも。妊娠で身動きが取れないという不幸を背負わせたかったのかもだけど、その結末がお粗末。産んだらめでたし、ではないのだから。

医師と警察のバディってもう珍しくもなんともないけど意外に楽しめた。無差別かと思われた銃撃事件が虐待する親を狙ったもので、本人も了承済みだったのに土壇場で親を守って子供が死んでしまうってところが虐待する親との愛憎を表している気がして問題の根深さや解決の難しさを知った。子供は愛されたいってだけなのにね。難病に寄り添う親になることで自分に酔いしれていた人が本気で後悔することなんてあるのか分からないが、子供に守られた命でどんな思いで生きていくのか知りたくなった。